話題のEndless OSを触ってみた

EndlessOS

ASUSが海外向けのノートPCにバンドルするOSとしてWindows以外にEndless OSを採用するというニュースが出た。Endless OSはUbuntuベースのLinuxで、昨年末頃から名前だけはちょくちょくDistroWatch.comでも見かけるようになってはいたが、貧困層・子供向けというイメージだったので全然興味がなかった。今回ニュースになったことで、ようやく試してみようかなと。

Endless OSの最小構成は x86-64CPU(32ビット不可),メモリ2GB、16GBストレージ(推奨32GB)となっていて、軽量OSかと思いきや意外とスペックは必要な印象。
x86-64の他にARMベースのボードコンピュータでも動くものがあるみたい。

インストール

Windowsを使っている場合は、Endless OSのインストーラープログラムをダウンロードするみたい。インストーラー自体は3.2MBとかなり小型。その他不明。
LinuxやMacではEndless OSのイメージファイルをダウンロードすることになるのだが、それが公式サイトにはなくてTorrentからだけというのがちょっと嫌ね。イメージファイルは「ベーシック」と言われるものが1.7GB程度、ただし、アプリケーション類が殆どなくてOSインストール後に自分でいろいろ入れなければならないのであまり良くないかな。「フル」と言われるものは英語用が15GBほどと非常に巨大。これをTorrentでダウンロードしてUSBメモリなどに焼く。イメージファイルには日本語用というのは存在しないが、英語用であっても日本語を選択・表示することはできる。今回はこちらを使用。

USBメモリで起動すると結構早くデスクトップが表示されてインストーラー画面になる。
言語選択。リストに表示されているのは6言語だけだが、下部のテキストボックスにJapanese (入力するのは最初のJだけで良い)を入力することで日本語を選択することもできるが、その後のメッセージのすべてが日本語になるわけでもなく大して意味がないのでEnglishを選択すれば良い筈。 ハードディスク/SSDにインストールするなら Reformat this computer with Endless OS. [Reformat] を選択。 パーティションの詳細な指定などは無いっぽくてディスク全領域を使用するみたい。迷う部分がないので初心者にはある意味良いかも。
[Power Off]ボタンが出たらインストール完了。[Power Off]ボタンを押すとシャットダウンする。USBメモリを抜いてから電源オン。

起動と設定

初起動時は自動的に初期設定画面になる。
言語選択 USBメモリで起動したときと同じ画面。ただし、今回は日本語化したいので一番下にテキストボックスにJapaneseを入力。実際にはJを入れた時点で日本語の選択肢が表示される。日本語をクリックして「日本語」の右にチェックが付いたら右上の「次へ」(ここもNextから表示が変わる筈)をクリック。
入力方法の画面になる。上で日本語を選択したなら日本語(Anthy)が初期値になっている筈。日本語(Mozc)というのがあればそれを選びたいところだが存在しないので変更しないで右上の[次へ]をクリック。
Term of Useが表示されるので熟読して同意できるなら右上の[Accept and Continue]をクリック。その前に下部のチェック(情報送信の同意)を外すというのもアリ。
Wi-Fiの画面になったら(利用権のある)接続可能なAPのSSIDをクリック。PSK入力欄が表示されるのでPSKを入力。
APに接続できたら右上の[次へ]がクリック可能になるのでクリック。
タイムゾーンの選択画面になるので世界地図上の日本あたりをクリックする。日本に赤のマーカーが付いたら右上の[次へ]をクリック。
ソーシャルネットワークアカウントの登録画面になる。ここは表示されるサービスの中に使用しているものがあればそれを選択してログインするということだろうが、必須ではないので右上の[スキップ]をクリック。
ユーザー情報の入力になる。
フルネーム(ユーザー名)の入力とPassword Protected の選択を行う。この選択スイッチの初期値がわかりにくいが、なんと「オフ」が初期値。つまりそのままだとログインパスワード無しの運用になるので注意。右上の[次へ]をクリック。
「使用する準備が完了しました」が表示されて[Endlessを使い始める]をクリックして初期設定完了。
デスクトップが空で最下段にパネルだけが表示される状態で少し待つとデスクトップにアイコンが並ぶ画面になって、これで準備完了。

EndlessOS 1
起動直後の画面。デスクトップにアプリケーション等のアイコンが並ぶ珍しいデスクトップ。そして、左下のWindowsでいうスタートボタンのところにあるのはアプリケーションランチャーではなくデスクトップの表示ボタン。Windowsでいえば[Win]+[d]相当。つまり、Windowsでいえばスタートボタンを押したときの状態がEndless OSではデスクトップ画面と思えば良さそう。ちょっと特殊ではあるけどこれは意外と慣れるのは全然簡単。

EndlessOS 2
上の画像は「設定」から「情報」を表示したもの。「設定」はデスクトップ上部の検索欄に settings と入力するか、または右下のユーザーアイコン(上の画像ではひまわり)から表示できる。
Endless OSのバージョンは3.4.6だということがわかる。

EndlessOS 3
同じく「設定」で、左列の「地域と言語」をクリック。右列のKeyboard Layoutsが日本語(Anthy)であることを確認し、その右下の(設定)をクリック。

EndlessOS 4
IBus-Anthyの設定画面が表示される。入力タイプを「ローマ字入力」(初期値)にするか「かな入力」(絶滅危惧種用)にするか。変更したら下部の[適用]を押す。

EndlessOS 5
同じくIBus-Anthyの設定画面で上部の[キー割り当て]タブを選択。
on_off列を見つけて(おそらく一番上だけど)選択する。右下の[編集]をクリック。これは日本語⇔英数切り替えのボタンの設定だが、おそらく初期値(忘れた)は使いにくいかと思うので[全角/半角]に割り当てるだとか[ひらがな/カタカナ]キーに割り当てるだとか上の画像のように両方に割り当てる。なお、AnthyだとFcitxのように日本語オンと日本語オフを別のキーに割り当てるというような細かい指定はできないので[ひらがな/カタカナ]キーにon_offを割り当ててしまうと日本語オンのつもりで押したらオフになったということもあるので使いにくいかも。

で、ここまで日本語Anthyを設定したのは良いのだが、実は現在のEndless OSではAnthyがバグっていてそのままでは日本語入力できないというとんでもない嫌がらせ状態。Linuxで日本語入力できないとなるとiBusを疑うことが多いかと思うがEndless OSではiBusは正常に動いている筈なので余計なところを触って逆におかしくしないように。ちなみにiBusの設定はターミナルでibus-setup。

デスクトップ画面中央上段の検索欄に term と入力。「端末」アイコンが表示される筈なのでそれをクリック。(または検索欄でterm [Enter]でも可)
次のコマンドを入力する。(2行)

$ sudo -s
# cp -a /ostree/deploy/eos/deploy/*/var/lib/anthy /var/lib/anthy
# exit
$ exit
 

sudo cp hogeじゃなくてsudo -sで管理者になったのはログインパスワード未設定の場合を考慮。

気になるなら上を実行後にシステム再起動。

EndlessOS 6
デスクトップ中央上段の検索欄に editor などと入力する。(今回はその後に[Enter]を押したらダメ)
幾つかのアイコンと共に万年筆のペン先アイコンと「テキスト...」が表示される筈なのでそれをクリック。

EndlessOS 7
Anthyを正しく修正できていたなら日本語を入力することが可能になっている筈。
ただし、上の画像のように中華フォントな変な漢字が表示される。これはエディタの設定(上の画像だと[保存]ボタンの右横のメニューアイコンから)で正しく日本語漢字を表示できるフォントを選択する。

Endless OSに標準で入っているフォントの内、中華フォントではなく日本語漢字らしい文字を表示できるのはサクッと見た範囲では AR PL UKai hoge と VL hoge だけのよう。AR PL UMing hogeは中華フォントなので注意。

その他も覗いてみる

EndlessOS 8
ファイルマネージャーは普通。

EndlessOS 9
ファイルネマネージャーからネットワークフォルダを扱う場合は左列で「他の場所」を選択し、右列の一番下にある「サーバーへ接続」のテキストボックスに接続先を入力する。FTPであれば上の画像のように。ただし、WIndowsネットワークだけは特にsmb://hogeを指定しなくてもリストアップされる筈(上の画像ではVOLUMIOというのがそれ)。

EndlessOS 10
AppCenterを開いた。(デスクトップのMore Appsアイコンがそれ)
主だったアプリは揃っているようにも見えるが、やはり寂しい感じ。いろいろ足りないと思うことが多いはず。 Endless OSではパッケージ管理にFlatpakを採用していて、しかもapt-getやdpkgは利用できないように制限されている。Flatpakは次世代パッケージと言われているものの、まださっぱり普及していないのでいきなりそれだけしか使っちゃダメというのはキツイ。apt-getが使えれば何か困ったらubuntuと同じで解決できることも多いと思うが、Flatpakだけのせいでubuntuのナレッジの多くが使えない。

EndlessOS 11
デスクトップにVLCのオレンジ三角コーンのアイコンがあるが、よく見るとVLCではなくGet VLCになっている。大人の事情で同梱できなかったのかな。

EndlessOS 12
Get VLCをクリックするとVLCのインストール画面が表示される。インストールは何気に時間がかかるみたい。

EndlessOS 13
インストールが完了すると、Get VLCだったアイコンがVLCメディアプレイヤーに置き換わっている。もちろんクリックするとVLCが起動する。

EndlessOS 14
Endless OSの標準ブラウザはChrome。Chromiumじゃないのね。さらに最初から広告除去アドオンのABP(Adblock Plus)が入っていてそれが有効になっている。(これは余計なお世話)

EndlessOS 15
Chromeブラウザは初期値が独自のフォント設定なので中華フォントではない普通の日本語が表示される。

感想

超非力なノートPCで使ってみたが、求められるスペックの割には機敏。それぞれのアプリの起動だけがちょっとモタモタする感じ。
サスペンドとその復帰は非常に速い。ノートPCの場合は画面を閉じると自動的にサスペンドになるのでノート的に常識的な使い方もOK。

パッケージでFlatpakしか使えないというのは制約が大きすぎる。ちょっとしたことがいろいろ出来なさすぎる。たとえばデスクトップの標準フォントが中華フォントなのが嫌で直したいと思っても触るためのアプリがない。せめてdconf周りの設定を変更するアプリのパッケージくらいは早めに出して欲しいところ。

Chome OS / Chromium OSだとちょっとネット依存が酷すぎると思うような人でライトに使いたいというならEndless OSは目指しているところは正にピッタリだと思うけど、現実はいろいろ不足しすぎているので今すぐ老人・子供・初心者にオススメできるかというとまだまだというか無理。
だけど、いろいろ充実したらよさ気なので、ASUSが何で採用することにしたのかも理解はできなくはない。

ところで、現在の日本語対応状況を見るかぎり、日本でEndless OS使っている人はいないのかしら?



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