ADS-B用PCBアンテナを屋根に付けてみた

実家の屋根の上にPCBアンテナを仮置きしてみた。
アンテナから受信機までのケーブルは20mを用意したが、きっかり予定のルートで通そうとすると5mほど足りなかった。
そこで、見た目は悪いが数カ所でショートカットすることで3mほど挽回し、残り2mはレシーバとPCの間のUSBケーブルで補った。つまりレシーバが予定の設置場所には置けなくなった。まぁ繋がったので良しとする。
これで受信状況を確認してみた。レシーバの熱対策はまだ行っていないのでレシーバのアルミケースをヒートシンクに乗せてケースだけ冷やした状態で実行。(ケースだけ冷やしても中は熱い筈)

アンテナを屋外に設置して試用 1
実家は関ヶ原に近い地域だが、京都のFMラジオ放送局 エフエム京都(α-STATION)の小塩山(京都市街の西側)の送信所の89.4MHz (3kW)がノイズ混じりながらも受信できている。FM受信機としてはまぁ問題ないっぽい。ただし、アンテナが1090MHz用ということもあるのか中波のAM放送は全く何も聞こえないだけでなく中波全域に電波がありそうな気配すらない状態だった。よく考えたら24-1760MHzのレシーバだったので中波が取れないのは当然だった。
確認用アプリケーションはairspy.comが提供しているSDRSharp。Airspyレシーバ用のアプリケーションだがRTL-SDRレシーバでもWindows用ドライバインストール用のZadigとSDRSharpは利用できる。

次はADS-Bの受信テスト
前回に続きxDeco.orgのModeSDeco2 (Windows用)を利用した。ダウンロードしてバッチファイル(RTL-SRDレシーバならmodesdeco2_example.bat)を自分の環境に合わせて変更するだけ。(元のバッチファイルを別名にコピーしてそれを触る)

@echo off

cmd /c modesdeco2.exe (実際は改行無し)
    --device-index 0 (実際は改行無し)
    --agc (実際は改行無し)
    --freq-correction 62 (実際は改行無し)
    --location 北緯:東経 (実際は改行無し) 
    --web 8088 (実際は改行無し)
    --google-key GoogleのMapAPIキー (実際は改行無し)
    --localtime JST

PAUSE
exit

「がとらぼ」の中の人はこんな感じにしてみた。
「北緯」「東経」の部分はアンテナの設置場所の座標にする。北緯と東経の間の : (コロン)を忘れない。
「GoogleのMapAPIキー」の部分は所有しているGoogleアカウントからGoogle MAPのAPIキーを取得(無料)してそのキーを入力する。APIキーを指定しなくても地図自体は表示されるけど警告が出るのとFor development purposes onlyという文字列が地図に沢山表示されてうっとおしい。
この例では他のアプリケーションにデータを渡さないのでアプリ連携するならオプションを追加。
バッチファイルを修正したらダブルクリックして実行する。コマンドプロンプトの小窓が開くのでそれはそのままにしてブラウザを開き、URL欄に localhost:8088 と入力するとModeSDecoの画面が開く。
周囲を飛行機が飛び回るのを暫く待つ。

アンテナを屋外に設置して試用 2
上の画面は起動後4時間ほどでメニューから[MISC]→[STATS]を選んだもの。
えっ4時間でこんだけ?

アンテナを屋外に設置して試用 3
メニューから[MISC]→[LOG]を選んだ画面。試用した限りでは起動時のログ以外は表示されなかった。

アンテナを屋外に設置して試用 4
地図の画面だが、お見せできないので起動4時間後のカバレッジというか認識された中でで遠くを飛ぶ飛行機のエリアの表示だけ残して地図は画像を加工して消している。東西でいえば約50kmで、東京でいえば、青い点(自宅)を東京駅とすれば西は立川で東は船橋くらい。青い点(自宅)が名古屋駅なら西は羽島で東は豊田市でくらい。はい、とても狭いですね。
実家の周囲の地形は北西方向は開けていて他は山が多いのだが、飛行機が飛ぶ航路は南側を東西と東側を南北が多いみたい。せっかく開けている側の飛行が少ないのが残念。
ただし、中途半端な認識分も含めれば少し遠くまでのエリアが見えてそう。おそらくアンテナケーブルが無駄に長いのでアンテナで受けた信号が減衰しているのかと。なのでLNAで増幅しないとダメっぽい。

アンテナを屋外に設置して試用 5
チャートの画面で見た距離と検知数の分布。右方向が距離(nmi=海里)で右端の17.5nmiは32.5km程度。上方向は検知数。3nmi(5.5km)が一番多いということになっているけど、そんな近くを飛ぶ機数は少なくて、南を15nmiあたりが多いのだが、その辺りを飛ぶ機の情報の殆どは中途半端にしか検知できていないようでカウントされてないっぽい。

アンテナを屋外に設置して試用 6
チャートのカバレッジパターン。北と真西以外は「白」検知無しになっているが、そっちを飛ぶ機が少ないからだと思う。

先日の周りが建物だらけで全く空が開けていない場所でアンテナを窓ガラスにガムテープでひっつけて試した時と比べると実家の屋根の上は格段に受信できている。前回はFM放送も全く受信できなかったし。
でも、アンテナケーブルが長いとやっぱり減衰してダメっぽい。AliExpressで注文した品物が揃ってBPフィルタ+LNAを取り付けてからが本番ということになりそう。

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