骨伝導ワイヤレスヘッドホン AfterShokz Aeropex

骨伝導のヘッドホンは以前から興味はあったものの音が大きく漏れるのではないかとか装着感(振動)がどうかなとか音質が劣るのではないかと思ってなかなか手を出せないでいた。今回は、AfterShokzAeropex (アフターショックス エアロペック)という最新のBluetoothワイヤレス骨伝導ヘッドホンをレビューさせていただけることになったので開梱から使用感まで書いてみました。無報酬の提供品レビューになります。

骨伝導

イヤホンを含む普通のスピーカーは幕が振動して出た音が空気を通して鼓膜が振動して蝸牛から聴覚神経に音を伝える空気伝導。骨伝導は、アクチュエータが振動して骨に振動が伝わり蝸牛から聴覚神経に伝わるというもの。最近はスマートフォンもスピーカーの代わりにアクチュエータでディスプレイのガラスを振動させて音を出すのが増えているが、ディスプレイのガラスではなく人間の頭蓋骨を振動させるのが骨伝導ヘッドホン。ただし、骨伝導ヘッドホンで頭蓋骨が振動したからといって人間の頭から大音量で音が出るわけではなく、蝸牛に伝わる程度の微細な振動。
骨伝導の最も身近な例は「自分の声」。他人の声というのは声帯から出た空気の振動が鼓膜に伝わったものだが、自分の声は多くは骨伝導の方が聞こえている。だから骨伝導は特殊なものでは決してない。

AfterShokz Aeropex開梱からペアリング

AfterShokz Aeropex 1
パッケージ前面の外観。女性が装着している写真で、装着したらどんな風になるのかわかりやすい。 Aeropexは4色展開のようだが、今回はLunar Grey (ルナ グレー 月面の灰色?)。他にコズミックブラック、ブルーエクリプス、ソーラーレッドがある。

AfterShokz Aeropex 2
パッケージ背面は数ヶ国語で特徴が書いてある。

  • Open-Ear Design Bone Condition Technology 耳を塞がないオープンイヤーデザインの骨伝導テクノロジー
  • PremiumPitch 2.0+ Stereo Sound PremiumPitch 2.0+という骨伝導テクノロジーによるステレオサウンド
  • Multipoint Pairing 複数機器とのペアリング
  • IP67 Waterproof 防水がIPX7(浸漬保護 水深1m/30分)、防塵がIP6X(耐塵)
  • 8 Hours of Music & Calls (音楽再生と通話のバッテリー駆動時間8時間)
  • Moisture Detected Alert (充電ポートの水濡れ検知と警報)
  • Titanium Fit フレームの材質がチタニウムでしっかりフィット

箱の見出し書きだけでは何のことかわからない内容が幾つか。(上は補足した)
Bluetooth 5.0対応とか本体を従来品より30%小型化、13%軽量化して26gしかないとかもっと解かりやすい特徴を書けば良いのに。
PremiumPitch 2.0+は何のことかわからなかったが、Aeropex商品ページの説明によると「振動ユニットが頬骨に対して最適な角度を維持。より深みのある低音と、より少ない振動の両立を可能にしました。」とのこと。

AfterShokz Aeropex 3
一番外の外装は筒になっていて側面のBE OPENと書かれている面を押すと中身が抜ける。
先程押したBE OPENと書かれている面がマグネットでひっついているので、そこから3面を剥がすと上の写真の状態。
2段の箱が重なった上面にさらに大きくBE OPENと書かれている。この面の左側を持ち上げて右に開く。

AfterShokz Aeropex 4
左側がヘッドホン本体。右側はACCESSORIES(アクセサリース)と書かれた箱が入っているので四角い穴を利用して持ち上げて引き抜く。

AfterShokz Aeropex 5
ACCESSORIESの箱を抜くと保証書とユーザー登録の案内が現れる。

AfterShokz Aeropex 6
ACCESSORIESの箱の中にはシリコンっぽい素材のソフトケース、充電用のUSBケーブルが2本(同じケーブル)、耳栓、ユーザーガイド、注意書き、ペアリング方法の案内のカードが入っている。

AfterShokz Aeropex 7
シリコンっぽいソフトケースは蓋のところにマグネットが付いているのでパカッと開いてパクッと閉じる。ハードケースほどの保護力はないだろうけど、厚手なのである程度の衝撃は防げそう。ハードタイプのネックバンドイヤホンで布の巾着袋が付属していてもネックバンドとか耳掛け部分がすぐに折れて壊れそうで使う気がしないけど、これならカバンの中に入れておけば便利に使えそう。

AfterShokz Aeropex 8
手前が、ヘッドホン本体の振動ユニット(アクチュエータ)。右に見えている方にはマルチファンクションボタン。左に見えている方には2箇所小さな穴が空いていてマイクになっている。

AfterShokz Aeropex 9
手前側がネックバンドで非常に細いタイプ。奥側の振動ユニットの内側は白いスベスベした面になっている。ここが振動して顔(骨)に音を伝える。普通のイヤホンとは全く違う。

AfterShokz Aeropex 10
右側の耳掛けの後ろに本体部分に認証関係の記載がある。日本の技適マークと番号も書かれている。

AfterShokz Aeropex 11
ヘッドホンの上下をひっくり返して右側の耳掛けの後ろに本体部分の下面が手前に見えている。電源ボタン兼音量ボタンと充電用のポートが見えている。
充電ポートがmicro USBのソケットになっていると汎用性は高くて良いが、防水のためにゴム蓋になっていると充電が面倒になるしゴム蓋が緩いと水が入って困る。この製品の充電ポートの様に専用ポートにすると汎用性は低いのでケーブルをダメにしたり無くしたりしないように気を付けなければならないが、ケーブルを接続するのがすごく簡単。この製品ではケーブルは2本付属しているのでヘッドホン本体の寿命までに2本とも無くしたりダメにすることはないかと思われる。

AfterShokz Aeropex 12
ヘッドホンの充電ポートと充電ケーブルの端子はマグネットになっているのでケーブルの端子を近づけると勝手に繋がるべきところに吸い寄せられる。充電が始まると赤のインジケーターが点灯する。

AfterShokz Aeropex 13
骨伝導振動ユニットの内側はmicroSDカード程度の大きさ。骨伝導のアクチュエータは大きいものだと思い込んでいたが意外と小さい。

AfterShokz Aeropex 14
充電が完了するとインジケーターは青に点灯する。今回は新品で初電源投入前に充電したところ、青ランプは1時間ちょっとで点灯した。バッテリーが空から満充電までは2時間ということらしいので出荷時は中くらいに充電してある様子。(リチウムポリマー電池は長期保管時は半分以上7,8割まで程度が良い筈)

AfterShokz Aeropex 15
充電用のケーブルの端子部分。U型の金具2つが磁石。

AfterShokz Aeropex 16
Bluetoothのペアリング方法のカード。説明が何も無かったら不安ではあるけど、でも多くのBluetoothイヤホンがペアリングは電源長押しなので、初Bluetoothヘッドホンでなければ迷わないかも。

装着について

ハードタイプのネックバンドのカナルイヤホンは耳の穴からイヤピースが浮かないように左右から締め付ける力が強い製品があるが、長い時間装着していると頭が締め付けられるように痛くなりがち。Aeropexはネックバンド部分が細くて軽いので一応ハードタイプのネックバンドに入るが左右からの締め付けはとても弱い。振動ユニット部分がこめかみから離れない程度なのでとてもラク。
そしてネックバンドや耳掛けのイヤホンは耳たぶの上側にツルを通してから耳の中にイヤピースを押し込むので装着に苦労する。とくにメガネをしているとメガネのツルとヘッドホンのツルと耳たぶが喧嘩して、装着に慣れていても収まりが悪いことがある。
しかし、Aeropexはイヤピースを耳の穴に押し込む必要がないので装着がとてもラク。例えが悪いがメガネを後頭部側にかける程度の感覚。左右の本体部分を持って耳の上方から下にスッと下げるとあるべき場所に嵌まる。メガネをしていてもそれは変わらないのでメガネの人にもオススメ。なお、「がとらぼ」の人はツルの細いメガネで試したがメガネのツルが太い場合は不明。

イヤホンを使っている人なら経験があると思うけど、有線イヤホンはケーブルがビンッ!とひっぱられると非常に大きく鳴り響き、耳近くのケーブルが何かに擦れると不快な音(タッチノイズ)を感じる筈。また、ネックバンドイヤホンは首を動かしてネックバンドが襟に擦れるとその音が本体から鼓膜に伝わってガサゴソ音(これもタッチノイズ)として大きく聴こえる製品がある。
Aeropexはワイヤレスなのでケーブルがビンッ!もないし、骨伝導なのでタッチノイズの問題もない。普段、首を動かして襟と擦れたからといって大きくガサゴソ音が聞こえたりしないでしょ?
また、ネックバンドが軽いので後ろにズリ下がることもない。
こめかみのところに骨伝導の振動ユニットが接触した状態が続くので慣れないうちはそれが「何かが当たっている違和感」として少し気になるかもしれないが、それ以外は装着しているのを忘れるほど。Aeropexの重量は26gしかないので本当に軽い。振動ユニットがこめかみに当たっているからといってこめかみに振動は感じない。
寒い部屋にAeropexを置いておいてそのまま装着すると「こめかみ」がヒヤっとするというのはあるかも。

Bluetoothのペアリング

電源ボタンは装着した状態で右耳の後側、耳たぶに触れながら右側の本体を上下から親指と人差し指で挟み持ったときに親指で触れるボタンがそれ。初ペアリングの際は電源を入れない状態で、スマートフォン等の側でペアリングモードにしてから(AndroidだとBluetooth設定画面で「新しいデバイスとペア設定する」を押してから)、右耳後ろの電源ボタンを5秒押す。それでAeropexの電源オンからペアリングモードになる。スマートフォンに認識されて「Aeropex by AfterShokz」が表示されたらそれを押せばペアリング完了。

Bluetoothで接続された状態でスマートフォンで音楽再生すればそれがAeropexで聞こえる。

状態の通知について

ヘッドホンからのメッセージは日本語か電子音。

「AfterShokzにようこそ」(電源ON)
「接続しました」(Bluetooth機器と)
「終了します」(電源OFf)
「バッテリーは充電されています」(満充電時にバッテリー状態確認で) など。

通話ヘッドセットとして

電話が着信するとワーグナーのワルキューレの騎行の1,2小節程度が電子音で流れる。かけてきた相手の番号や名前を読み上げてくれるとかはない。
左耳のマルチファンクションボタンを1度押すとオフフックになり通話できるのでスマートフォンを操作する必要はない。電話の声は明瞭で聴きやすい。そして右耳にあるマイクの感度も良くて良く声を拾う。 通話中に左耳のマルチファンクションボタンをもう1度押すとオンフックで通話終了。
音楽再生中でもなく通話中でもない状態で左耳のマルチファンクションボタンを2秒押すと音声ダイヤルで発信できる。
それを試すとAndroidスマートフォンならGoogleアシスタントが起動する。何か喋るとGoogleアシスタントが返事するのが聞こえる。なお、Googleアシスタントの音声受付の開始・終了の通知音はないのでボタン2秒押してGoogleアシスタントが起動するであろう状態を見計らって喋るということになる。もちろんスマートフォンの画面を見ながらであれば喋るタイミングは画面を見ればわかる。Googleアシスタントが起動するということは「○○○(電話番号または名前)に電話」のように喋れば電話できるということ。 なお、Googleアシスタントは画面が真っ暗なスリープ状態では機能しないこと(機種)がある。その場合は少なくともロック画面が表示されるかロック解除した状態でAeropexのマルチファンクションボタンを2秒押す。
iPhoneの場合はSiriに命令することになるのだろうけどiPhoneを持っていないのでわかりません。

とにかく、通話ヘッドセットとしてはまったく文句ない。

音質について

耳の穴が開放された状態では音楽は中域はしっかり聴こえるものの低音は軽く超高音も聞こえにくい。
しかし、不自然な鳴り方ではないので中華激安イヤホンのように「悪い音」+「低音も高音も無い」というのはちがって心地の良い軽めの音という感じ。耳のせ型ヘッドホンに近いかも。
だから、聴いていて疲れなくてラク。これはむしろメリットといっても良いかもしれない。そして、その方が外部の音も聞こえやすい。
耳栓をすると低音がや高音が格段にしっかり聴こえるようになるが、音が篭って潰れるように思う。耳栓はしない方が聴きやすいかな。 耳栓ではなく、(左右の)人差し指を耳の穴に入れて、指の指紋側を後頭部側に向けて後頭部側(少し斜め上方向にも)に押し付けて穴の前側が少し浮く状態にすると低音がしっかり聴こえて且つ篭もらなくて良い感じになった。個人差はあるかもしれない。
さらに、耳栓の代わりにイヤホンをして音楽やテレビの音声を流してみた。それで、Aeropexも耳の穴のイヤホンも両方共が自然に聴こえて聞き分けられる。これは不思議な感覚。

ところで、低音が軽く高音が聞こえにくいと書いたが、同じ音源を同程度の音量で再生して低音・高音がどこまで聴こえるかを試してみた。ボリュームは50%にしたので最大時よりは聞こえにくい筈。

  • カナルイヤホン 20Hz 〜 11000Hz
  • Aeropex 耳栓あり 60Hz 〜 7000Hz
  • Aeropex 耳栓なし 200Hz 〜 7000Hz

「がとらぼ」の中の人は年齢より耳がかなり老化気味で50過ぎの爺さん並に高音は11000Hz程度までしか聴こえない。だから本当はもっと広い周波数で鳴っていても聞こえていないだけかもしれないのでご了承下さい。一応、製品仕様では20Hz 〜 20KHzになっているので上に書いたよりは上下とも鳴ってはいる筈。
で、耳栓をした状態で低音が60Hzからだとまぁ数字的には良くないけどこれは実際には全く問題ないレベル。耳栓無しだと低音が200Hzからということでちょっと心細いが、ズンドコズンドコした音を聴きたいということでなければ意外とそれでも大丈夫。高音は耳栓の有無に関わらず7000Hzまで聴こえたので、実用上は問題ない。
どうしてもドンシャリな鳴り方でなければ嫌というような人以外はおそらく大丈夫な筈。
若い頃はドンシャリはドンシャリでアリかなと思っていたけど、ドンシャリなイヤホンで長時間聴くと疲れてヘロヘロになるからオッサンにはツライのよね。

屋外での利用について

通勤時など屋外で両耳を塞ぐイヤホンすると周囲の音がほぼ全くというほど聞こえなくなるので危険。しかし、骨伝導ヘッドホンは耳が空いているので音楽を聴きながら或いは通話しながらでも周囲の音は聞こえる。
だから屋外で使うなら骨伝導ヘッドホンが良いよと大絶賛したいところだが、骨伝導は音が多少漏れる。いや、「漏れる」という表現は不正確。骨伝導の振動ユニット部分が何にも触れていなければ音は発生しないけど、こめかみ部(或いは何か)に触れることで音が少し発生する。試した範囲ではAeropexは音が周囲に大きく聞こえるほどは発生しない。それでも、とても静かなところであれば何かが鳴っていることは判る程度には音が出る。耳のせ型イヤホン並かそれより小さい程度なので、ボリューム「中」程度であれば混み合う電車内でも大丈夫だとは思うけど油断はしない方が良い。自分が使う音量で他の人に装着してもらってどれくらい音が出るか確認するのが良いかも。

一応、Aeropexを装着した状態で少し走ってみた。元々とても軽いので少々動いたところで影響しないとは思っていたが、耳掛け部分を支点にネックバンド側が少し下がる程度の良い前後バランスになっているので、振動ユニット部分がズレて動き回ることもなく、振動ユニットが浮き上がって音が聴こえなくなることもない様子。イヤホンは運動中にイヤピースが浮いて挿し直さなければならなかったり頭の動かし方によっては音が聞こえにくくなったりするが、それがなくて逆にヘッドホンとしては不自然なほど音が聴こえ続ける。
そして、イヤホンのように掃除に困る穴があるわけでもなく拭くのも簡単、防水なので水洗いもできる。micro USBコネクタ搭載機のように水密パッキンを気にする必要もない。(マイク穴はあるけど防水なので無視して洗える)
スポーツしながら音楽を聴きたいという人にはとても良さげ。

オフィスでの利用について

日本の会社だと就業中に音楽を聞くのはほぼアウトだと思うけど、自由のきく職場であれば、外部の声が聴こえて電話もできて圧迫感がなく軽いAeropexは就業中こそ使いたいガジェット。満充電からの駆動時間は8時間ということなので、あと1.5倍あれば朝に家を出て夜帰宅するまでずっと使い続けられるんだけど、そしたら本体が重くなって台無しかな。

終わりに

最新の骨伝導ヘッドホンはとても進化していた。骨伝導に音質は求められないという認識は過去のものだった。小さく軽く不自然さがない鳴り方。そして、ネックバンドイヤホンは装着に苦労していたのでそれが簡単なのが何よりもびっくりというか嬉しい。
ところで、音楽再生中に油断していると、耳にイヤホンが入っていないのに音楽が聞こえる。→ヤバい、音楽がスピーカーで再生されている。→慌てる。きっと使い始めのあるあるだと思う。

AfterShokz Aeropex 製品仕様

品番: AS800
スピーカータイプ: 骨伝導変換器
周波数特性: 20Hz~20KHz
感度: 105 ± 3dB
マイク特性: -38dB ± 3dB
対応プロファイル: A2DP, AVRCP, HSP, HFP
充電電圧: 5.25 V
スピーカーインピダンス: 8.5hm ± 20%
Wireless range: 33 ft (10m)
周波数帯域: 2402MHz~2480MHz
電池: リチウムポリマーバッテリー
バッテリー駆動時間: 最大8時間
待機時間: 最大10日
充電時間: 2 時間
重量: 26 g
保証期間: 2年間
防水規格: IP67
バッテリー容量: 145 mAh
最大RF出力 4dBm
Bluetooth® Version Bluetooth® v5.0


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