針金4箇所曲げるだけの高利得な謎アンテナを建ててみた

針金4箇所曲げるだけの高利得な謎アンテナを作る」の続き。
待ちに待ったSMA端子が届いたのでアンテナを一気に作り上げた。(先週のことね)

謎アンテナを建ててみた 1
今度は騙されて買ったカラー針金じゃなくて本当の銅線をSMA端子につないで、この銅線をアンテナのU字の部分に接触させることにした。ところが、これは意外とダメだった。前回と同じく特性が全く落ち着かない。しっかりした力で1周巻き付けたので接触が悪いとかではなさそう。ハンダも使ってみたが変わらず。思いついたいろんな方法で固定しようと試みたがダメだった。

その後、アンテナの特性が落ち着かないのは前回使った連結パーツのせいっぽいことが判明。(写真の白いやつ)

謎アンテナを建ててみた 2
結局、こうなった。
連結パーツはアンテナ本体には使わずにアンテナの支柱2本を接続する用にした。この支柱は園芸用のもので、グラスファイバーに青い樹脂をコーティングしたもの。アンテナとの接触部はこの青い樹脂を剥がしてグラスファイバーに直接触れるようにした。グラスファイバーは一応絶縁なのでこれで特性が安定するようになった。固定に使ったのは細いタイバンド4本。SMA端子からアンテナ本体の接続(給電部)は家庭用の電源ケーブルを使った。並行フィーダを使うより更に悪いとは思うけど、なぜかこの方が安定したので採用。給電部、アンテナの上側(写真では右側)の方が150mmエレメントから少し遠く、アンテナ下側(写真では左側)の方が150mmエレメントに少しだけ近め。この下側の接続部は写真の位置よりも150mmエレメントから離そうとすると一気に全く別の特性を示すようになる。理由は不明。なので、調整はこの下側の接続部を先に固定して、上側の接続部をズラす方法で行った。

謎アンテナを建ててみた 3
防水は、SMA端子周辺を熱収縮チューブと自己融着テープ+ビニールテープ、給電部は自己融着テープ+ビニールテープにし、アンテナ本体のアルミ棒自体はむき出しとした。

謎アンテナを建ててみた 4
屋根の上に上げてみた。アルミ棒のアンテナ本体は一番上。(写真では黒い線みたいに見えてる)
そのアンテナ本体を支えているのは塩ビパイプ。塩ビパイプの上の方にある太い筒はLNAとバンドパスフィルタとUSBのRTL-SDRのチューナー本体が入っている。
太い筒の下側から出たケーブルが太い筒の上側にひっかかった状態だが、アンテナを建てたときに肉眼では気付かず、帰ってから写真を見てひっかかりに気付いた。(眼が悪いので2階の屋根の高さは見えないのよね)
ところで、そもそもアンテナのマストが塩ビパイプというのが大失敗。大して強くない風でもビョンビョン揺れる。すぐには無理だが金属製のパイプに交換して揺れを抑えるつもり。ケーブルのひっかかりもそのときに直せば良いかなと。

アンテナを上げる直前、測定はアンテナとバンドパスフィルタ+LNA直前の間のコネクタ。アンテナ製作時に付けたSMA端子から測定ポイントまでは約51cmのRG59ケーブルで、このケーブルを測定したところ直近でインピーダンスが下がるのは1075MHz付近。1090MHzからは僅かにズレているけど、まぁいいかな。(以下2枚)

謎アンテナを建ててみた 5
590〜1590MHzという広い範囲で見た特性。右のグラフの青い線がSWR、赤い線がインピーダンスの抵抗成分(だよね?)。NanoVNA V2を使って1000MHzの広い範囲を100箇所の測定なので1090MHzジャストの周波数は見れなくて、画像では少しズレた1095MHzにマーカーがある。
その1095MHzではインピーダンス50Ω、SWR1.13。

謎アンテナを建ててみた 6
範囲を狭めて940〜1140MHz。1090MHzは中央ではなく右に近い方(マーカーの場所)
1090MHzのインピーダンスは50.9Ω、SWRは1.03。以前のような測定無しで作った「なんちゃってアンテナ」だとこうはいかない。ただ、使いたい周波数でSWRが低いから本当に良いアンテナなのかは?わからないよね。

謎アンテナを建ててみた LNA + BPF
そして、今回はLNAとバンドパスフィルタも新しいものなので楽しみなような心配のタネであるような。
写真の左がLNA、右がバンドパスフィルタ、奥側がLNAに150mAに絞って提供するための定電流ダイオードとACアダプタを挿すためのソケット(前回の写真を流用)
使ってみたところ、動作自体は正常。LNAの写真には増益40dBと書かれているのが写っているが1090MHz付近だと30dB程度。これが大きすぎるのか、ADS-Bでは300〜100kmほどの遠くの航空機を良く捉える反面、50km以内の近いのが消える傾向。近くの強い信号が壊れる?アンテナが良好ならLNAは無しか増益10dB程度の方が良いのかな?

謎アンテナを建ててみた 7
アンテナ設置後から18時間ほどで新しく取得し直したカバレッジ。地図の同心円の中心は白塗りにしている。
しばらく使っていた「なんちゃって同軸コリニアアンテナ」ときのカバレッジとあまり変わらない。なぜなら、アンテナがある実家周辺の地形から「期待される見晴らし」的にこれが限界だから。ただし、前回のアンテナのときに3日ほど待ってようやく得られたカバレッジの形を新しいアンテナとLNA+BPFでは数時間で得ている。ここでも遠くを捉えるのが得意という性質が反映されたと思われる。 しかし、近くの航空機の信号が壊れる?からなのか北北東、南東、西の3方向が全然埋まらない。この方向は地形的に遠くの航空機を捉えるのが無理なので近くを航空機が飛んでくれないとカバレッジのエリアとしては埋まらないのだが、近くを飛んでも信号が(壊れて)受け取れないといつまでも埋まらない。