電波時計が自動的に時刻合わせをしてくれないので正確な時刻を表示する時計が欲しくなったというのは前の記事で書いた。
で、Arduino互換のマイコンカードと8x8のLEDマトリクスディスプレイが4つ繋がったものを2つ買ってそれを接続して表示できるようになったというのも書いた。マイコンボードでNTP時刻合わせをするというのも書いた。
今回は、NTPで正しい時刻を取得してその時刻をLDEディスプレイに表示する。つまり元々の目的のものを作る。
MAX7219 LEDディスプレイモジュールは4連を2個。元々の予定では4連を2つ重ね(2行)にするつもりでいたが、時刻表示(HH:MM:SS)を4連1枚に表示するのは難しいことがわかったので
4連を並べて8連(1行)にした。4連にHH:MM:SSを表示しようと思ったらかなり細いフォントを使うか縮小フォントを使うかになるけど1モジュールが8x8のLEDディスプレイなので細い字にするのも限界がある。読みやすさを犠牲にするのはイヤなので。
ちなみに、工夫なしに普通に日付と時刻を表示しようとしたら表示範囲に収まりきらずに秒の表示が切れてしまった。
何をどのように表示するかを考えた。
- 時刻は秒まで表示する。HH:MM:SS形式で、これは絶対。
- 日付も表示したい。
- 曜日も表示したい。
- 西暦の年も表示したい。できたら4桁で。
- 他の情報は要らない。
以上から、時刻(HH:MM:SS)を常時表示するエリアと日付のゾーン(エリア)に2分割する。
時刻のゾーンは固定表示。
「年」、「月/日」、「曜日(英字3文字)」を縦スクロールで上下移動して表示。そして、月/日の表示回数が多くてかつ表示時間を長めにする。
年 → 月/日 → 曜日 → 月/日 → 年 のような繰り返し。
ゾーン分割とアニメーションの表示方法についてはMD_Parolaライブラリに付属のスケッチ例からParola_Zone_TimeMsgを参考にした。
2021年10月18日: モジュールの並びとゾーン分けについて、↓の2段落分の説明がヘタクソで書いた本人もなんかよく判らんかったのでこの画像を追加
LEDモジュールは8x8の単体タイプを並べようが4連タイプを並べようが、右から左に制御するモジュール番号が付く。つまり7 6 5 4 3 2 1 0のようになる。
ゾーンを分割すると右からゾーン0、その左にゾーン1・・・のように並ぶ。つまり、モジュールもゾーンも右から左に並ぶ。英数字は左から右に書くので感覚としては逆並び。
時刻表示部分は、HH:MM:SSの8文字、日付側は年表示がYYYYで4文字、月日表示はMM/DDの5文字、曜日は英語の短縮形3文字とする。つまり時刻表示の方が文字数が多いので日付表示と時刻表示の表示範囲を1:1ではなく3:5で分割して表示することにした。4連モジュール2個を使うので4連を上下に並べる(4列x2行)表示はこの時点でムリということになった。
3:5と書いたが、モジュールとゾーンは右から左に0から数字が付くのでモジュール 7, 6, 5 がゾーン1でモジュール4 3, 2, 1, 0 がゾーン0になる。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 | #include <NTPClient.h>
#include <WiFi.h>
#include <WiFiUdp.h>
#include <MD_Parola.h>
#include <MD_MAX72xx.h>
#include <SPI.h>
#include "GF4x8p.h" // 4x8 font
//Wi-Fi
#define SSID "Wi-Fi-SSID"
#define WIFIKEY "WI-FI-PASSWORD"
//NTP client
#define ntpServer "NTP Server" //Host name or IP Address
#define tzOffset 32400 // JST = 3600 * 9
//MAX7219
#define MAX_DEVICES 8 // eight modules
#define CLK_PIN 27
#define DATA_PIN 12
#define CS_PIN 14
#define SPEED_TIME 25 //Small numbers are faster. Zero is the fastest.
#define PAUSE_TIME_L 1200 //1200ms for month/day long pause
#define PAUSE_TIME_S 300 //300ms for month/day short pause
#define HARDWARE_TYPE MD_MAX72XX::FC16_HW
// Hardware SPI connection
//MD_Parola P = MD_Parola(CS_PIN, MAX_DEVICES);
MD_Parola P = MD_Parola(HARDWARE_TYPE, DATA_PIN, CLK_PIN, CS_PIN, MAX_DEVICES);
// Define NTP Client to get time
WiFiUDP ntpUDP;
NTPClient timeClient(ntpUDP, ntpServer, tzOffset, 3540000); //59 minutes : 59(min) x 60(sec) x 1000(ms) = 3540000
void setup() {
WiFi.begin(SSID, WIFIKEY);
while ( WiFi.status() != WL_CONNECTED ) {
delay ( 500 );
}
timeClient.begin();
P.begin(2); // 2 zones
P.setZone(0, 0, 4); //00011111 <- Zone 0 for Time display
P.setZone(1, 5, 7); //11100000 <- Zone 1 for Date display
P.setFont(0,GF4x8p);
P.setFont(1,GF4x8p);
P.setIntensity(0); //Darkest
}
void loop() {
time_t epTime = timeClient.getEpochTime();
static uint8_t dsw = 0;
struct tm ts;
char bufD[15], bufT[9]; // "yyyy mm/dd aaa" + 1 = 15, "hh:mm:ss" + 1 = 9
char *parr[15];
ts = *localtime(&epTime);
timeClient.update();
P.displayAnimate();
//Zone 1 Date
if (P.getZoneStatus(1)) {
strftime(bufD, sizeof(bufD), "%Y %m/%d %a", &ts);
parr[0] = strtok(bufD, " "); // year
parr[1] = strtok(NULL, " "); // month/day
parr[2] = strtok(NULL, " "); // day of the week
switch (dsw) {
case 0: // month/day down
P.displayZoneText(1, parr[1], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_NO_EFFECT, PA_SCROLL_DOWN);
dsw++;
break;
case 1: // year down
P.displayZoneText(1, parr[0], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_SCROLL_DOWN, PA_NO_EFFECT);
P.setPause(1, PAUSE_TIME_S);
dsw++;
break;
case 2: // year up
P.displayZoneText(1, parr[0], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_NO_EFFECT, PA_SCROLL_UP);
dsw++;
break;
case 3: // month/day up
P.displayZoneText(1, parr[1], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_SCROLL_UP, PA_NO_EFFECT);
P.setPause(1, PAUSE_TIME_L);
dsw++;
break;
case 4: // month/day up
P.displayZoneText(1, parr[1], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_NO_EFFECT, PA_SCROLL_UP);
dsw++;
break;
case 5: // day of the week up
P.displayZoneText(1, parr[2], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_SCROLL_UP, PA_NO_EFFECT);
P.setPause(1, PAUSE_TIME_S);
dsw++;
break;
case 6: // day of the week down
P.displayZoneText(1, parr[2], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_NO_EFFECT, PA_SCROLL_DOWN);
dsw++;
break;
case 7: // month/day up
P.displayZoneText(1, parr[1], PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_SCROLL_DOWN, PA_NO_EFFECT);
P.setPause(1, PAUSE_TIME_L);
dsw = 0;
break;
default:
break;
}
P.displayReset(1);
}
//Zone 0 Time
if (P.getZoneStatus(0)) {
strftime(bufT, sizeof(bufT), "%T", &ts); // %T: hh:mm:ss
P.displayZoneText(0, bufT, PA_CENTER, SPEED_TIME, 0, PA_PRINT, PA_NO_EFFECT);
P.displayReset(0);
}
delay(50); //Don't remove this delay, and don't make it too small
}
|
void loop(){} の中はひたすらループ処理が行われるが、P.getZoneStatus(#Zone)が1でなければそのゾーンのアニメーションの制御はループに邪魔されず(実際は多少邪魔される)に進行する。逆に言えばアニメーションの動作が完了してP.getZoneStatus(#Zone)が1になるまでアニメーションの処理に邪魔されず(実際は多少邪魔される)にループが進行するのでアタマがこんがらかるような余計なことを考えなくて済むのでとてもラク。
void loop(){}の最後にディレイを入れているが、値(ミリ秒)が小さすぎるとループ処理が速く行われすぎて動作異常になると思われる。ただし大きすぎても今度は動作が遅くなったり処理開始のタイミングが狂うかもしれないので適度な大きさの数値にする。50msより少し小さい程度?
今回は狭い表示範囲に文字を詰め込むため専用にフォントを作成した。時計の表示は時・分・秒が変わる度に表示位置がガタガタ変わるのはイヤなので数字は4ドットの固定幅(英字も)で数字は4x8の大きめにし、記号は幅を最小限に1〜3ドット(列)の可変幅というハイブリッド型プロポーショナルフォントにした。
ゼロはアルファベットのOと区別がしやすいよう斜線付きタイプにしたが敢えて超少数派の逆斜線にしてみた。(Øと斜線の向きが逆)
一応、フォントのリンクを貼っておくのでダウンロードできます。
まぁ素敵なフォントを作ってやろうという意欲はあるんだけど、残念ながらデザインセンスと実力がからっきし無いので字の見た目が残念かもしれない。もっと良いのが欲しいという人は自分で作っていただければ。 で、ダウンロードしたフォントのファイルをスケッチと同じディレクトリに置く。上の例ではファイル名が GF4x8p.h でフォント名が GF4x8p 。つまり、スケッチの最初の方で#include "GF4x8p.h" と指定してやればそのフォントがインクルードされ、P.setFont(0,GF4x8p);のように指定することで0番ゾーンでそのフォントが使われる(P.setFont(1,GF4x8p);なら1番ゾーン)。なのでゾーン単位でフォントを使い分けることができる。
日付、時刻ともにそれぞれのゾーンの中で中央寄せ。日付表示は8x8 LEDディスプレイ3モジュール分のゾーンなので5文字表示の「月/日」ではカツカツだが、時刻ゾーンは左右の端に余裕がある感じ。
最初にWi-Fiで接続するだけしか処理が入っていないのでWi-Fiの通信が途切れるとそのあと再接続しない筈。そうすると画面表示が異常に遅くなるかも。特に日付スクロールが壊れたように遅くなる。電源を入れ直すしか対応がない。Wi-Fiの接続の監視/再接続する処理が要るかも。
2022年11月5日:
Wi-Fi自動再接続の処理について記事にしました。この記事のコードに僅かの修正で使えます。
- ESP32マイコンボードとMAX7219 LEDディスプレイ4連x2でNTPクロックを作ってみた の続き Wi-Fi自動再接続
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- Linux環境でのArduino IDEの豆腐文字化けを直す
この記事を参考に作製させて頂きまして大変喜んでいますが最後に記載されているように毎秒の時計表示が途切れる様になります、何とかしようとしているのですが私の技術力では不可能のようです、御教授戴けませんでしょうかお願い致します。
コメントありがとうございます。
秒表示が途切れるというのが画面からはみ出して表示されないということであれば記事内に置いた縦細のフォントを開発環境に置いてコンパイルしてください。
Wi-Fi通信断時に秒表示が遅くなるとか更新が停まるようであればWi-Fi再接続処理を入れる必要があると思いますが、「処理を追加したい」ようなことを書いておきながら最近ウェブ制作ばかりやってて手付かずです。
「ESP32 wifi 接続確認 再接続」あたりのキーワードでググると役に立ちそうなページが幾つか見当たりました。
早速の返事有り難う御座います。
試して見ます。