いまどきのLinuxにスキャナを接続する

前回はLinuxでプリンタを利用可能にしたが、brotherのDCP-J925Nは複合機型なのでスキャナも付いている。被写界深度が浅いというか1mmでもベッドから浮くと全く読み取れないCISってやつ。色乗りも良くはないのであまり積極的には使いたいとは思わないけど無いよりははるかに良い。他のスキャナはScanSnapしか持ってないのでおもちゃの様でもフラットベッドスキャナが1つあると助かるよね。

で、プリンタを使えるようにしただけでは当然スキャナは使えないのでこの記事ではそれを使えるようにする。
Linuxでスキャナを使いたいなら基本的にはスキャナドライバとスキャニングブログラムのXSane(SANE)をインストールする。
インストールするOSは前回に引き続きLinux LiteなのでUbuntu系のLinuxではほぼ同様の筈。

スキャナドライバのインストール

Linuxでスキャナを使う 1
brotherの公式サイトでLinuxのDEBパッケージを選択。[決定]を押す。

Linuxでスキャナを使う 2
今回は64bit版のLinux Liteにインストールするので64bit版のスキャナドライバをダウンロードする。Linuxが32bit用なら当然だけど32bit版のスキャナドライバをダウンロードする。 ダウンロードするのは基本的にはこのスキャナドライバ1つだけで良い。

以下3行はターミナルで操作 (Debian/Ubuntu系)

$ cd ~/Downloads
$ sudo dpkg -i brscan4-0.4.4-4.amd64.deb
$ sudo brsaneconfig4 -a name=brother_DCP-J925 model=DCP-J925 ip=192.168.4.64

1行めはホームフォルダを日本語名に変更していたら cd ~/ダウンロード になる。
192.168.4.64はDCP-J925のIPアドレスとする。name=のbrother_DCP-J925の部分は好みで。model=のDCP-J925は機種名で固定。

SANEのインストール

Linuxでスキャナを使う 3
デスクトップ左下のMenuから「システム」→「Install/Remove Software」を開く。パッケージ管理ツールのSynapticが起動する。

Linuxでスキャナを使う 4
上の画像は既にXSaneをインストールした状態で撮ったものなのでチェックとかグレーアウトとか微妙に違う部分があるが、やることは以下。
Synapticの最上段の検索欄に xsane を入力して検索。
リスト表示されたxsaneの行を右クリック。「インストール指定」にマークして最上段の[適用]でインストールする。

スキャンする

Linuxでスキャナを使う 5
先ずは、XSaneを起動してみる。
デスクトップ左下のMenuからグラフィックス→XSane Image scanning programを開く。

Linuxでスキャナを使う 6
スキャナの設定を適切に変更する。
右上のビューワの部分はスキャンの出力先、ここはとりあえずビューワのままにする。
上の画像で「FlatBed」の部分は複合機の場合は使用するスキャナ(ADFとかフラットベッドとか)の選択。使いたい方を選択する。
上の画像で「24bit Color[Fast]」の部分は色数モード。DCP-J925では[Fast]が無い方の「24bit Color」を選択してスキャンするとスキャナがハングアップして電源を抜く以外に方法が無くなるので基本は「24bit Color[Fast]」のままで。
上の画像で「1200」の部分は解像度(dpi)。最近のスキャナだと600〜1200dpi程度が実用的なところかな。もちろん、解像度を上げると詳細なスキャンになるけどスキャン時間が長くなるし取得したファイルが巨大なものになる。
上の画像では「フルカラーレンジ」には赤枠を付けていないけど、どうしてもモノクロでスキャンしたいならここを変更。

適切に設定できたら右下の[スキャン]を押す。数秒以内にスキャナが動き始めることとスキャン終了後に表示される画像が正しいことを確認。

xsane起動時や各種動作の際に Error during CMS conversion: Ccould not open scanner ICM profile のようなエラーが出て鬱陶しい、スキャンができないということが多々あるよう。xsaneのメインの窓の左上の方の「設定」を押すとそこに表示される項目の中に Enable color management という項目があってチェックが入っている筈なのでチェックを外す。これで解決する筈。

Linuxでスキャナを使う7
スキャナを使うときは画像編集アプリGIMPを使うことが多いかな。
GIMPの最上段のメニューから「ファイル」→「画像の生成」→「XSane」→「Device dialog」を開く。
1つ前の画像と同じくXSaneの画面が開くので必要があれば設定変更を行う。「スキャン」ボタンを押す。

Linuxでスキャナを使う 8
スキャンが完了するとXSaneの画面が閉じて取得した画像がGIMPに生成される。それをGIMPで編集するということになるかと。
上の画像では中央にubuntuと書かれたのが取得した画像。縮小表示になっているので小さく見えるが1200dpiだとこれで約10000x12000pxという巨大な画像で取り込まれている。

スキャナドライバがパッケージマネージャで選ぶだけのインストールではないのでLinux初心者には面倒かもしれないけど、それでもメーカーがLinux用ドライバを用意してくれているとかなり簡単だと思う。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する

昔はUnix系のOSでプリンタを使おうとするとどえらく大変だった記憶があるけど、最近は下手すると?Windowsよりよほど簡単な場合も。メーカーや機種による部分はあるけど。
今回はbrotherのHL-2040というUSB接続のレーザープリンタとbrotherのDCP-J925Nという家庭用複合機をネットワーク接続で使ってみる。

ところで、何故ブラザーなのか。
「がとらぼ」の中の人が手のひらに乗るくらい小さなお子様だったころ、1970後半〜1980年代前半頃はお子様にとって情報らしい情報を得るのが、月刊マイコン、RAM、ベーマガという時代、もう少し大人向けだと月刊I/OとかASCIIかな。雑誌に広告を出してたプリンタメーカーといえばエプソン・NEC・brother・ローランド(プロッタ)くらいだった記憶が。当時は個人で買えるのはドットインパクトの時代。英数字1文字の縦が8ドットくらいの低解像度。もしくは文字の綺麗な印字が欲しければデイジーホイール(タイプライターのような文字のハンコのプリンタ)とか。絵を綺麗に描きたいならローランドの小型卓上X-Yプロッタとか。
当時はキヤノンといえばキヤノン販売がアップルの国内代理店としてAppleⅡを売ってるくらいでキヤノンの機械というのは企業向けの大型レーザープリンタ等しかなかったような。 そんなわけで最近の人からするとブラザーというとそんなにイメージがないかもしれないけど「がとらぼ」の中の人にとっては物心ついたころにはすでにプリンタをやってた由緒あるメーカー。そして使い物になる上に安い。
レックスマークが大手だと言ってた頃もそんなポッと出のメーカーなんかよりブラザーのが良いわって思ってた。っていうかレックスマークって今どうなってんだろ。 と、いうことで、刷り込みのせいか購入しようとするといつのまにかエプソンかブラザーになっちゃうのよね。キヤノンは無理して買ったBJ-330が役立たず過ぎて憤死寸前で懲りてるし。
HL-2040の前はエプソンのネットワーク対応レーザープリンタLP-1800を使ってたんだけどこれは使い過ぎもあったかもしれないが、ある日突然お亡くなりになった。 正確にはLP-1800単体ではネットワーク非対応でオプションのNW-IFカードを挿してネットワークに対応。さらに使わなくなった旧PCから引き抜いた72pin EDO-SIMMでメモリ増設した。
そのとき金欠だったがどうしてもプリントしなきゃならないということで急遽購入したのがHL-2040。これはネットワーク非対応だけどその時購入できたレーザーの中では格段に安かった。トナーも安いし。
DCP-J925Nは複合機タイプのスキャナ付きインクジェットプリンタ。これは購入当時CD-R/DVD-R等のディスクラベル印刷ができる複合機タイプの中では一番安かった。そういう機種なのでカラー印刷はできるといっても写真を綺麗に印刷するというのは無理だが、ラベルの文字印刷が目的だったのでカラーである必要すらなかったので写真はどうでも良い。現在はラベル印刷は年に数枚程度で普通紙への印刷の方が多いかな。両面印刷対応なので意外と使い勝手が良いの。
そして、両方ともずいぶん長持ちしている。HL-2040に至っては購入してから干支が1周してるので「いいかげん壊れてくれたらネットワーク対応レーザー買うのになぁ」ってくらい。

脱線終わり。

プリンタを接続するPCのOSはLinux Lite。ベースがUbuntuなのでUbuntu系のLinuxではほぼ同じと思って良いかも。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 1
パッケージ管理ツールのSynapticを起動する。
上部にあるクイック検索でプリンタのメーカーを入力する。今回はbrother。
brotherに関係あるソフトウエアがリスト表示されるのでプリンタドライバに関係ありそうな行を選択して説明書きを見て利用予定のプリンタの機種名が書かれていることを確認する。

目的のプリンタドライバの行を右クリックしてインストール対象としてマークする。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 2
インストール対象になるとその行が緑色になる。依存関係で他の行もインストール対象になるものがある場合がある。
マークしたパッケージをインストールするのは上部の「適用」を押す。
インストールが終わったらシステムを再起動する。

プリンターをUSBケーブルでPCに接続して電源をオン。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 3
システム再起動後。デスクトップ左下のMenuから「設定」→「プリンター」を開く。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 4
接続済みと認識されているプリンター名が表示される。上の画像では正しくHL-2040が認識されている。
プリンターのプロパティーを開く。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 5
プリンターのプロパティー画面。
テストページの印刷ボタンで印刷し、ただしく出力されたらOK。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 6
左列の「プリンターオプション」を選択して印刷設定もできる。レーザープリンタだと変更することがあるのは印刷トレイくらいかな。変更したら[適用]を押す。[OK]
これでもうプリンタは好みの設定で使える状態。アホみたいに簡単。

次はDCP-J925N。
このプリンタはネットワーク対応で有線LANと無線LANのどちらでも利用できる。今回は無線LAN(Wi-Fi)で接続する。Wi-Fiの接続設定はプリンタのパネルで行う。以下は、プリンタのWi-Fiを設定済みでLANに接続した状態とする。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 7
デスクトップ左下のMenuから「設定」→「プリンター」を開く。
DCP-J925N用のドライバをインストールしたわけではないが、なんと既に正しくプリンタの機種も認識されている。機種を探す必要もないのね。
brotherのプリンタドライバが入っていたら共通で使えるのかしら。

いまどきのLinuxにプリンタを接続する 8
DCP-J925Nのプロパティを開き、左列の「プリンターオプション」を選択。残念ながら文字化けしている。設定画面の表示がおかしいだけで機能していて、印刷もできる。(が、設定内容がわからないので使いづらい)
ダメなのはそれくらい。

Windowsでプリンタを使えるようにするのは意外と苦労するが、いまどきのLinuxはすごい簡単ね。もちろん、ここまで簡単なのはドライバがパッケージになってたらだけど。
パッケージがない場合もbrotherのウェブサイトにLinux用のドライバが用意されているので貰ってきてインストールすれば使えるハズ。

Up