軽量LinuxのBohdi Linuxを触ってみた

Bohdi Linux

以前から気になっていたBodhi Linuxを触ってみた。

Bodhiはボーディで仏教用語の菩提(ぼだい)の語源。Bohdi LinuxのロゴはBodhi Leaf (印度菩提樹の葉)。印度菩提樹は日本のお寺などにある菩提樹とは全然別の種類なんだそうな。

ベースはUbuntuでデスクトップ環境はMoksha(モークシャ=解脱 げだつ、これも仏教用語)。Ubuntuのナレッジは使えるだろうけどMokshaは未知なので手探りになる。
最小構成は500MHzのCPU、256MBメモリ、5GBストレージ。推奨構成は1GHzのCPU 512MBメモリ、10GBストレージ。 イメージファイルは64ビット用のStandardと32ビット用のLegacyが提供されている。Legacyは非PAE対応なのでかなり古いPCでも使えそう。
それと、標準ではソフトウエアが必要最低限しか入らないのでイマドキの普通程度に充実させるためのAppPack。

一応、最新は4.5.0だが、今回はもうすぐリリースされるであろう5.0.0のRC版を試している。

インストール

ダウンロードしたイメージファイルをDVD-Rなどに焼いてPCにセット。

ライブモード(セッション)を起動させる。
OSが起動するとブラウザが開いてクイックガイトが表示されるが、ライブセッションではクイックガイドの内容は意味が無いのでブラウザを閉じる。
左下のランチャーの2つ右にある菩提樹の葉のアイコンをクリックでインストーラーを起動させる。

最初の画面が言語選択。「日本語」を選択する。
キーボードレイアウトの選択は日本語配列キーボードなら「日本語」を選択、「日本語-日本語(hoge)」は選ばない。(特殊な日本語キーボードを除く)。
ネットワーク(無線LAN)設定も行う。
これらの内の幾つかの設定はインストールするOSにも引き継がれるので適切に設定する。(5.0.0RC版では表示言語は引き継がれなかった)
このあとはイマドキの簡単系Linuxのインストールと変わらない。

インストールが終わったらDVD-Rなどのメディアを抜いてPCを再起動。

Bohdi Linuxを触ってみる 1
インストール直後。ただし、ブラウザで開くクイックガイドは消している。

日本語入力の設定

以下、「ランチャー」はデスクトップ左下隅のアイコン(Windowsのスタートボタン相当)とする。

Bohdi Linuxを触ってみる 2
1. ランチャー → 設定 → モジュールを開く → 「settings(設定)」タブを選択 → 言語に緑丸を付ける。

2. ランチャー → アプリケーション → システムツール → Terminologyを開く。

$ sudo -s
# apt-get update 
# apt-get -y dist-upgrade
# apt-cache search mozc    ←mozc関連のパッケージ名を検索
# apt-get install fcitx-mozc mozc-utils-gui
# exit
$ exit

依存関係のパッケージも含めて(おそらく山盛り)インストールの許可を求められるので Y を押す。
これだけでも最低限日本語入力はできる筈。
実用を目指すなら他に日本語フォントを幾つか入れた方が良いと思う。(省略)

Bohdi Linuxを触ってみる 3
ランチャー → 設定 → 設定パネルを開く → 「Language(言語)」タブを選択 → Input Method Settings(入力方式の設定)

Bohdi Linuxを触ってみる 4
入力方式の選択で[fcitx]を選択 → [選択した入力方式に設定する]ボタンを押す。

上の画像では引き続きFcitxの設定をやってるように見えるが、システムを再起動する。
ランチャー → システム → 再起動、 またはデスクトップ右下の

Fictxの設定を行う。システム再起動後はデスクトップの最下段にあるパネルに(キーボードのアイコン)が表示される筈なのでそれを右クリック。下から3番めのConfigureを選択。
「入力メソッドの設定」窓が開く。リスト表示の一番上がKeyboard-Japaneseで2番めがMozcであることを確認。違ってたら変更する。間違ってMozcを一番上にしないこと。(これは画像無しでスンマセン)。
上部の「全体の設定」タブを選択する。
例によって「日本語入力」←→「英数字入力」の切り替えキーを好みに変更する。(ここ数回同じのを書いてるし、Fcitxの設定は共通なので省略)

Bohdi Linuxを触ってみる 5
同様にデスクトップ最下段のパネルの(キーボードのアイコン)を右クリック。Mozc Tool → Configuration Toolを選択する。

Bohdi Linuxを触ってみる 6
「Mozc プロパティ」窓が開く。日本語変換の設定を行う。上の画像では「かな入力」に変更しているが、これは絶滅危惧種用の設定、普通は初期値のローマ字入力から変更しない。

Bohdi Linuxを触ってみる 7
標準ブラウザはMidori。これは軽量を目指す(非力なマシン)なら良い選択かな。
上の画像はブラウザで日本語を入力してみた例。

テキストエディタ(Windowsのメモ帳相当)はランチャー → アプリケーション → アクセサリ → ePad、これは軽量かもしれないけど日本語入力できないダメなやつ。

感想

Linuxが初めてで先入観が無ければ素直に慣れるだけだと思うけど、他のLinuxを触ってたらだいぶ勝手が違うので面食らうかも。逆にこれで慣れてしまうと他のLinuxで勝手が違うということになる筈だが、それはあまり良いことではないと思う。つまり、変なのでは慣れない方が良いと思う。

アプリケーションのインストールはapt-getに慣れてないとツラすぎる印象。ブラウザから http://bohdilinux.com アプリ検索ページを使う方は検索が殆どヒットしない。 ランチャ → アプリケーション → システムツール → GDebi Package Installer(こちらはインストールしたいパッケージファイルを自分で用意)というのがある。GDebiは初心者は手を出すべきではない筈。正直どちらも使い物にならない。

慣れて自由に使えるようになれば快適なのかもしれないが、ちょっとね・・・
悟りの境地には程遠く。

軽量LinuxのArchLabs Linux

ArchLabs Linux

ArchLabs Linuxを触ってみた。

ArchLabs LinuxはArch Linuxがベースで、見た目はBunsenLabsにインスパイアされたと公式に書いてある。だからなのかArchLabs LinuxのロゴはArch Linuxの三角形っぽいのの内側にBunsenLabsのバーナーの炎の組み合わせになっている。

ArchLabs Linuxの最小構成はx86-64なCPU、512MBのメモリ、10GBのストレージ、推奨構成は1.4GHzのx86-64なCPU、1GBのメモリ、15GBのストレージということになっている。64ビット対応CPUが必須ということで、これも極端に古いPCで動かそうというものではなさそう。

DVDイメージファイルをダウンロードしたらDVD-Rなどに焼いてインストールするPCにセットして起動。起動メニューは基本的にライブモード(ライブセッション)のみ。インストールはライブモードを起動してから実行。

ArchLabs Linuxのインストール

昔のLinuxのインストーラーの面影が強い面倒なタイプのインストーラー。

起動するとデスクトップ左上にロケットアイコンのランチャーがある、これをクリックするとアプリケーションリストが表示される。
しかし、騙されたらダメでデスクトップがOpenboxなのでデスクトップ上の右クリックもランチャー。インストーラーはこの右クリック側に存在する。一番上のWelcomeの下にあるInstallerがそれ。

Network Check
Open Connection Dialog? に<Yes>
NetworkManager TUI で Activate a connectionを選択
有線LANあるいは無線LANのSSIDを選択 無線LANの場合はPSKを入力 接続したらBack (ここが普通と感覚が違うかも)
NetworkManager TUIで[Tab]キーで<OK>に合わせて[Enter]
黒いCLI風画面でInstallerの更新が始まる。

Select Languageで言語選択。日本語という選択肢はないので 1 Englishを選ぶ。

Main Menu
1 prepare Systemを選択
1 Keyboard Layoutを選択  日本語キーボードはjp106を選択。次の画面でjpを選択。
3 Partition Driveを選択  おそらく/dev/sdaなどが表示されるので<OK>
Partitioning ToolでAutomatic Partitioningを選択して<OK>
6 Mount Partitionsを選択  少なくともROOT(/)を指定する。
Choose Filesystemはext4かbtrfsか他に好みがあればそれで。
Format /dev/sdxx as ext4? ←上で選択したFilesystem名 を<Yes>
Filesystemのオプションを尋ねられたら例えばext4であればnoatimeに[Space]でチェックするなど。
Do you want to use swapは通常はSwapfile ****Mを選択するのが良さげ。大容量のメモリを積んでて且つ安物のSSDを使ってるなどでスワップファイルをどうしても使いたくないのであればSkip/Noneを選択。
スワップ利用を選択した場合は次の画面でスワップファイルのサイズ変更も可能だが、最初から適正量が提示されている筈なので通常の使用であれば変更は不要かと。
パーティション設定の確認が行われて<OK>でインストールが始まる。

Select Device for Bootloaderはインストールしたハードディスク(普通は/dev/sda)を選択して<OK>

Configure Install
1 System Host name  初期値はarchlabs 任意で変更
2 Language and Timezone  日本語ならja_JP.UTF-8を選択  Time zoneは大量のAsia -のどれかを選ぶ次にTokyoを選択 Set Time Zone as: Asia/Tokyo?に<Yes>
3 Root Password  管理者用パスワードを2回入力
4 Create New User  通常ユーザー名とそのパスワードを2回(これが自分のアカウント)
5 Back 普通は使わない

上の4が終わるとInstalltion Finishedになるので<Yes>でOSリブート。

ArchLabs Linuxを触ってみた 1
初起動で表示されたデスクトップの中央にある窓で幾つか質問されるので特に希望がなければ[Enter]を何度か押すことになる。それで初期セットアップ完了で自動的に再起動する。
それ以外は触らないのがポイント。

日本語の表示と入力

日本語表示
おそらく日本語が表示されるはずの部分が全て文字化けしていて全く使い物にならない状態になっている筈。
左上隅にあるロケットアイコンを左クリック、上から3つめのTerminalを開く。

ArchLabs Linuxを触ってみた 2
日本語フォントをインストールする。(以下)

foobar@archlabs ~ % sudo -s
root@archlabs /home/foobar # pacman -S otf-ipafont
中略
なんか文字化け [Y/n] y
中略
root@archlabs /home/foobar # exit

もちろん、sudo -sでrootになるのではなくsudo pacman -S otf-ipafontがLinux流。

左上のロケット→Exit→Reboot
これで再起動後から日本語が表示される。

日本語入力

foobar@archlabs ~ % sudo -s
root@archlabs /home/foobar # pacman -S fcitx-mozc fcitx-configtool
root@archlabs /home/foobar # exit
foobar@archlabs ~ % vim .xprofile
追加3行
1
2
3
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS="@im=fcitx"

終わったらシステムを再起動する。

ArchLabs Linuxを触ってみた 3
左上のロケット→「その他」→「Fcitx設定」を選択。

ArchLabs Linuxを触ってみた 4
過去に何度か書いてるし前々回も(前回も)書いたので省略。

Mozcの設定項目がメニューに登場せず、文字入力中にMozcのステータスも表示されないので入力モードが不明というのもあるが、Mozcの設定ができないのも困る。

foobar@archlabs ~ % /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog

ArchLabs Linuxを触ってみた 5
これでMozcの設定窓が表示される。ただし、これは一時的なものなので上のコマンドを実行するショートカットアイコンを用意するとか、デスクトップにMozcのステータスアイコンが表示できるようにするとか。

ArchLabs Linuxを触ってみた 6
テキストエディタはGvimなど幾つか入っている。上の画像はメモ帳に近い簡易テキストエディタGeany。例によってフォントを大きくして表示している。

Archらしいといえばらしいのだが好みの状態にするまでおそろしく手間のかかる子。
手のかかる子ほどかわいいって言うけど、ライトユーザーだと使い物になる状態にするまでに投げ出しそうな感じ。
そして、意外と速くない。
少し期待ハズレだったかも。

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