軽量LinuxのLinux Lite

Linux Lite

軽量Linuxの2番めとしてLinux Liteを触ってみた。Liteってくらいだから軽いんでしょう。

Linux Liteの最小構成は 1GHzのx86,x86-64CPU、メモリ768MB、8GBストレージ、推奨は1.5GHzのx86,x86-64CPU、メモリ1GB以上、ストレージ20GB以上。10〜20年前の古いPCの再利用ということではなく、ここ10年以内のPCを快適に使おうというものかしら。 ベースはUbuntuでデスクトップ環境は Xfce ということになっている。

公式サイトのダウンロードページでは64ビット版のダウンロードリンクが目につくところにあり、32ビット版はページ中段あたりに少し目立たないように存在する。

ダウンロードしたイメージファイルをDVD-Rなどに焼く。PCにDVD-RをセットしてPCを起動。ライブモードで雰囲気だけを味わうということもできるが、DVDのライブモードだと読み込みが遅くて快適さが解らない筈。今回はライブモードで起動して速攻で「インストール」を実行。

インストーラーは最初の画面が言語の選択。日本語を選択する。キーボードも日本語配列キーボードなら「日本語」でOK。このとき「日本語」の後に()が付いているのは選ばない。これは前回も書いたが多くのLinuxの言語設定で共通。ここで選択した言語はインストールしたOSにも反映される。前回のbunsenlabsではノートPCのタッチパッドが機能しなかったが、Linux Liteではインストーラーでもタッチパッドが正常に機能した。

Linux Liteを触ってみた 1
初起動直後の画面。中央に表示される「Welcome to Linux Lite」の窓だが、普通は速攻で消して2度と表示させないものだが、Linux Liteでは有用なリンクがあるので速攻では消さない。間違って右下のチェックを外して閉じてしまった場合は、画面左下のMenu(ランチャー)→設定→Lite Welcomeで再表示できる。

Linux Liteを触ってみた 2
ちなみに画面左下のMenu(ランチャー)も日本語表示になっている。
で、Welcome to Linux Liteの窓だが、左列の青塗りの4ボタンの中でInstall Updates, Install Drivers, Install Language Supportは是非実行したい。ただし、Install DriversはGPU使ってないと関係ないかな?
Install Language Supportでは日本語環境では入力メソッドのFcitxと日本語変換のMozcが自動的にインストールされる筈。終わったらシステムを再起動して、言語設定を開く。(左下Menu → 設定 → 言語サポート)
キーボード入力に使うIMシステムをiBus(初期値)からfcitxに変更する。
選択肢にfcitxが表示されない場合は上の手順のどこかを忘れてる筈。

Linux Liteを触ってみた 3
過去に何度か書いてるし前回も書いたので省略するが、Fcitxの設定(デスクトップ右下に表示されているキーボードアイコンを右クリックして「設定」)で日本語変換モードのオン・オフを好みのキーに割り当てる。初期値に値が入っていてそれが気に入らない場合はその値を選択して[Esc]を押すと「空」になる。
日本語変換のMozcを設定する場合は、デスクトップ右下に表示されているキーボードアイコンを右クリックして「Mozcツール」→「設定ツール」

Linux Liteを触ってみた 4
標準で入っているテキストエディタLeafpadはWindowsのメモ帳レベルのシンプルなもの。上の画像ではフォントを初期値の2倍以上大きくしている。
日本語は入力可能だが、文字コードや改行コードも変更できないのでちょっとどうかしら。

Linux Liteを触ってみた 5
標準ブラウザはFirefox。最初から日本語のメニューやメッセージが表示される。

Linux Liteを触ってみた 6
ファイルマネージャーはThunar。ファイルマネージャーそのものは変なクセもなくイマドキの標準的な使い勝手。
ただし、上の画像のようにWindows共有を利用しようとすると「Windowsネットワークを開けませんでした」になる。gecko, LINUXというフォルダが見えているが、LAN内にはそういう共有名は無いのでLinux Liteが自身で作っている共有フォルダっぽい。
ということで、Windows共有を使うには手を入れないとダメらしいのが残念なところ。
ちなみに、FTPは上の画像のnetwork:///のところにftp://hoge@192.168.xxx.xxxのように指定すると問題なく利用できた。

2018年8 月8日追記:
Windows共有を利用する場合は普通はワークグループ(ドメイン)からホスト、フォルダを辿ると思うが、Linux LiteではWindows共有のホストのIPアドレスを指定するのが流儀っぽい。だから上の画像のnetwork:///のところを smb://192.168.xxx.xxx のように指定する。

Linux Liteは見た目がショボくても構わないからとにかく軽くするという方向ではなく、見た目もフルスペックのデスクトップ環境と比べて遜色なくそれでいて十分に軽いという良いとこ取りを狙った感がある。メジャーなディストリビューションではないもののベースがUbuntuなので何か困ってもナシッジは豊富なのかな。同じUbuntuベースでもLinux Mintとは別のアプローチで上手くオールインワン環境を作った感じ。正直Mintより好みかも。
マシンが非力だからしかたなくこれを選ぶというのではなく、パワフルなマシンでも常用OSの選択肢に入れてよいかと。

追記:
難点も挙げておく。システム起動やシャットダウンがびっくりするほど遅い。どういう処理なのかわからないが、待たせすぎは良くないと思う。とくにノートPCで使う場合はさっと閉じて仕舞いたくてもいつまでもハードディスクをゴリゴリやられると迂闊に仕舞えない。SSDを使えって話かもしれないが。
起動もそうで、さっと使い始めたいのにいつまでも真っ黒な画面だと、(急いでるならなおさら)壊れてんじゃないかと心配になる。これが改善されたらノートPCで常用したいディストリビューションなんだけどねぇ。

軽量LinuxのBunsenLabs

Chromium OSで遊んだついでに最近のLinuxの軽量ディストリビューションを試してみた。


BunsenLabs 4


幾つか試す予定だが、まずはBunsenLabs
Bunsenって日本語でブンセンかしら?って思ったけどロゴがバーナーの炎になっているところを見るとブンゼンだわね。誰でも学校の理科室など見たことがあると思う縦長のテクルバーナーを含むバーナーでブンゼンバーナーってやつね。ブンゼンは人の名前。
旧CrunchBang Linux終了後に後継でやってる1つ。もう1つはCrunchbangplusplus (Crunchbang++)。Crunchbang++も触ってみたかったけどこちらは配布がtorrentだけのようなので試せていない。
対応している最小構成はCPUがx86(世代や周波数は不明)、メモリが1GB、ストレージが10GB。現在のPCでいえば超低スペックだけど、超軽量Linuxと比べるとまぁまぁ程度のスペックを必要としてるかな?ベースはdebianでデスクトップはOpenbox。

ダウンロードしたイメージファイルをDVD-Rなどに焼く。PCにDVD-RをセットしてPCを起動。今回はいきなり「インストール」で起動させる。
インストーラーは最初の画面で言語の選択。日本語を選ぶ、キーボードは「日本語」でOK、非常に特殊な日本語キーボード以外では「日本語」の後に()が付いているのは選ばない(これは多くのLinuxの言語設定で共通)。ここで選択した言語はインストール後のOSにも反映される。ただし、インストーラーではノートPCのタッチパッドが効かなかったので[TAB]と矢印キーで選択という操作になる。インストールしたOSはノートPCのタッチパッドが正常に機能した。

表示は日本語になる(すべてではない)が日本語を入力することはできないので入力メソッドと日本語漢字変換をインストールする必要がある。今回もいつものように入力メソッドはFcitx、日本語漢字変換はMozcを使用することにする。
デスクトップ右クリック→ System→ Synaptic Package Managerを選択してパッケージマネージャを開く。fcitx-mozcを検索してインストール対象としてマーク(依存関係もマーク)→適用ボタンでインストールされる。OS起動時にFcitxを自動起動するための設定は不要。OSを再起動すればFcitxが使用できるようになっている筈。

BunsenLabs 1
BunsenLabsの初起動直後の画面。

BunsenLabs 2
デスクトップのみの画面。右の方にゴチャゴチャあるのは確認してないけどおそらくConky。

BunsenLabs 3
BunsenLabsはWindowsのスタートボタンに相当するアプリケーションランチャーはデスクトップには表示されておらず、デスクトップ上の壁紙が見えている部分で右クリックがそれ。

BunsenLabs 4
デスクトップ右上に表示されるキーボードアイコンを右クリックで設定を行う。FcitxとMozcの両方を設定する。
Fcitxの設定。
上段の「全体の設定」タブを選択。
下段の「ホットキー」タブを選択。
この画面は要するに日本語入力モードに切り替えるキー、英数字入力モードに切り替えるキーを設定するもの。
既に何度か書いてるけど、個人的な好みで日本語モードにするのはスペースキーの2つ右側の「カタカナ/ひらがな」キー、英数字モードにするのは[Esc]の下の[半角/全角]キー。その場合は上の画像のように左下の隅にある「拡張オプションの表示」にチェックをする。「入力メソッドのオンオフ」の右側2つをそれぞれ選択して[Esc]を押して「空」という状態にする。画面中段にある「入力メソッドをオンに」の1つを選択して「カタカナ/ひらがな」キーを押す。(Hiraganakatakanaという表示になる)
「入力メソッドをオフに」の1つを選択して[半角/全角]キーを押す。(Zenkakuhankakuという表示になる)
一部(多く?)の人達は日本語モードにするのも英数字モードにするのも[半角/全角]キーを好むかも、その場合は初期値のままで良い。

BunsenLabs 5
Mozcの設定。「がとらぼ」の中の人は絶滅危惧種の「かな入力派」なので「かな入力」に切り替える必要がある。殆どの人は初期値の「ローマ字入力」から変更する必要はない。この画面では設定を変更したら最下段の[Apply][OK]を押す。

BunsenLabs 6
標準で入っているエディタ(メモ帳)のGeanyの画面。
文字が大きいのはフォントを初期値よりも2倍以上大きい状態にしてるから。もちろん日本語も使える。

BunsenLabs 7
標準ブラウザはFirefox。まだFirefox用の追加言語の日本語を入れていないのでFirefoxのメニューやメッセージは英語表示。ただし、日本語入力はできるしウェブサイトの日本語も正常に表示される。

BunsenLabs 8
ファイルマネージャーには特に変なところはない。左下のネットワークフォルダ追加でWindows共有が利用可能。正常に他のホストのフォルダ・ファイルを参照・読み取り・書き込みできた。

BunsenLabsは問題らしい問題を感じない出来のよう。大きめのアプリを起動しようとするとメモリに余裕があるのに何故か起動までだいぶ待たされることがあるのが気になったくらい。

今回使用したのは前回Chromium OSを動かしたのと同じ6年前に新品で23000円という低価格で購入したノートブックに毛の生えた程度のノートPC(Acer Aspire E1-531-H82C)。Celeron B820というローエンドCPUを搭載。ただしメモリだけは8GB。
この超低スペックのノートPCでも快適だった。

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