RaspberryPi Zero WとDAC基板をアルミケースに入れる 後編

前編こちら

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ケースに穴あけを行った。コネクタ用の穴だけでなく、基板をネジで固定するためのネジ穴も。皿ネジで留めようと思ったけどケースの天板は予想外に薄かった。

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DAC基板をケースに固定した。

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RPi0Wの基板は付けてないけどケースに蓋をしてみた。こんな感じになる予定。

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RPi0Wの基板をケースに固定した。RPi0WのUSB端子2つの穴を開けた。HDMI端子は使わないので穴は無し。
外部アンテナのSMA端子(金色のやつ)用の穴を開けてケースに留めた。

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予定ではピンヘッダを残してピンヘッダの先端にケーブルを付ければフタをすることができる筈だったのだが、RPi0Wの外部アンテナ端子を付けたことでDACのピンヘッダと接触するようになり僅かだが蓋が嵌められない高さになっていた。ピンヘッダのピンを斜めにするという方法もあるが、思い切ってRPi0WとDACの両方の基板のピンヘッダを外してケーブルを直付けした。

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RPi0WとDACの両基板のピンヘッダを外しケーブルをハンダ直付けすると狭いと思っていた中がスカスカになった。DACのRCAコネクタがなければもっと薄いケースでも入りそう。右奥の白く見えるのがRCAコネクタ、これがケースの高さを必要としている。

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フタをして外付けアンテナ(黒いの)を取り付ければ一応完成。
太くて皿の大きいネジしかなかったのでケースから皿部分がはみ出ているが、これは今後一回り小さいネジに交換する予定。

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RCA端子にケーブルを付けて反対側の電源用のUSBケーブルも取り付けた。こんな風に使うことになる。
RCAケーブルの先は接続する機器を持っていないので何も繋いでいない。また、写真を撮った場所は電波暗室ではないのでUSBケーブルを繋いだだけで電源供給していない。

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普段はヘッドホンを使っているのでこんな風に使うことになる筈。
電波暗箱に入れると写真を撮れないので上の写真は電源を供給していない状態で撮影している。

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上からフリスクケースのスライド内側部分。
今回作成したケース。
100均で買ったケースの抜け殻。
こうして見ると100均のケースが凄い巨大。

関連記事:

RaspberryPi Zero WとDAC基板をアルミケースに入れる 前編

注意: この記事に倣ってRaspberryPi Zero Wを改造すると技適が無効になるので日本国内で普通に使うことはできなくなります。電波暗箱か電波暗室の中で使うか改造を諦めて下さい。

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今回購入したアルミのエンクロージャ。隣は大きさ比較用の単3電池。
NanoPi NEO2用のエンクロージャを探していたときにRaspberry Pi ZERO W(以下RPi0W)とDACを納めてちょうどぴったりそうなサイズのものを見つけたのでカートに入れた。すっかり忘れてたけどアルミケースはRPi0WだとWi-Fiの電波が妨害されて通信できなくなるからダメだよねと思い直してカートから消した筈だったのに残ってて他の品物と一緒に注文確定させてしまった。
お値段はUS$1.63 (送料無料)と非常にお安い。フリスクケースを作るためにフリスク買うよりこっちのが安い。
買ってしまったものは仕方ないので無理してRPi0Wのケースとして使用することに。

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以前に作ったフリスクケースに入ったままのRPi0Wの基板を上から見たところ。この画像は加工無し。こういうパターンなのよということで次。

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下部の楕円で囲ったところが内蔵のWi-Fiアンテナ。そこから右にニョロ〜ンと伸びてるのが通り道のライン。1つ前の画像と見比べてね。

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前の2つの画像とは上下が逆の状態。画像がボケてるのは家のカメラ機材ではこれがマクロ側の限界だから。
RPi0Wの基板を眺めると金色の大きなランドがあってそこが何か空いてるなというのがわかるけど、内蔵アンテナに続くラインの途中のコンデンサを配置し直してランド側に繋げると内蔵アンテナが切り離されてランド側にアンテナの信号が行く。切り替え場所は先ほどのニョロ〜ンの途中にある白いやつ(チップアンテナ?)のすぐ横あたり。
上の写真では大きさ比較用に縫い針(細針)を写しているけど、付け替えるジャンパーチップ抵抗の大きさが細針の穴よりも小さいので普通の工作と比べると難易度はかなり高め。大きく写ってる針を載せてる白いやつと同サイズのコンデンサや抵抗でもハンダ付けするのはイヤだなと思うくらいので。
少なくとも3〜5倍程度のルーペ、マイナスドライバの先みたいな形状の細いコテ先、精密ピンセット(の良いやつ)、フラックスくらいは用意しないといろいろツラい。

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つまりこうなる。
ジャンパーチップ抵抗の(この画像では上側)を右の小さな四角いランドにハンダ付けする。下側は位置はそのままだけど、向きを45度変えるということは結局下側も一度剥がして再度ハンダ付けする。ジャンパーチップ抵抗なら熱で壊れるというのは意識しなくて良いかと思う。なお、このページで「ジャンパーチップ抵抗」だと書いてるのは見た目と結果でそう判断しただけで間違ってる可能性もあるので信用しない方が良いかも。実はジャンパーチップ抵抗を壊してしまったので計測できなかった。
ジャンパーチップ抵抗を再度貼付ける際は基板側の元のハンダをきれいに取ってフラックスを塗る。(フラックスなんか要らないよという精密作業に自信をお持ちの方はどうぞ無しでやって下さい)
詳しくは・綺麗な写真で確認するには先人のページで。

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設置するアンテナ端子はRPi0Wに用意されているランドのサイズからするとU.FLコネクタ(IPX)が適当なので、どこのご家庭でも使われずに余っているであろうU.FLコネクタ(上の画像のフリスクケースを横断しているリボンに10個あるやつ)とIPXSMAの変換ケーブル(上の画像の上部に見えてる2本の黒いケーブル)とSMAのWi-Fiアンテナ(上の画像の下部に2つ見えてるやつ)あたりを出しておく。

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ピンセットは正直良いものを持っていない。先細ではあるけど精密ピンセットではない。一緒に写っている手前側(先が上側)はダイソーのピンセットの断面。部品を挟んで固定するには良いけど細かい部品をつまむというのは無理。

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ここから4枚はルーペ越しの写真。
ピンセットの先が十分に細くないので部品を挟むと視界が遮られるし自在に摘めない。

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先細のコテ先(鉛筆型)を持っていたのでそれを使ったんだけどこて先が温まらずジャンパチップ抵抗を留めてるハンダが溶けなかった。
でも、ピンセットでつまんだら少し動いた(気がした)のでクイッとやったらジャンパチップが砕けてしまった。大失敗。

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仕方がないのでハンダ吸い取り線の先をほぐして繊維2〜3本をこよりにしてからハンダを吸わせて1mm以下にカット。これをジャンパチップの代わりにした。両端をランドの上に置いてこて先を上から押し付ければ付くので。ただし、最後にしないとアンテナ端子をハンダ付けする際の熱で「こより」ごとアンテナ端子側に吸い取られてしまう。
あと、このコテ先ではアンテナ端子のランドの予備ハンダもできなかったので全く役に立たないと判断。先端がマイナスドライバみたいなタイプにしたら嘘みたいに凄い作業しやすくなった。先が細いと「点」では暖められないので「線」で温めるのが良さげ。
エルピーダのメモリチップの上にあるのはU.FLコネクタの裏面。
写真の左右の黒いのはガムテープ。作業中に基板が動かないように固定するのに使う。

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乾きかけのフラックスがライトに照らされてメチャメチャ汚く見えるけど一応これで完成。

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設置したアンテナ端子にIPXSMAの変換ケーブルを接続し、外付けWi-Fiアンテナにつないだ。

小さな電波暗箱しか持っていなくて、箱に入れると操作することも中を見ることもできないので電波の出方を確認できていないが、一応使えている。

後編に続く

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