Raspberry Pi Zero W + DACで音楽プレーヤーVolumioを使う

前回はI2S接続のDACをRaspberryPi Zero Wにつないだ。
今回はそれを鳴らすための音楽プレーヤーの設定を行う。

RaspberryPi Zero(W)用のRaspbian(Linux)などに音楽プレーヤーアプリを入れてUIの準備もしようととするとおそらくかなり面倒。
が、もう面倒なのがイヤだというのもあって今回はvolumioを使うことにした。
RaspberryPiならダウンロードしてmicroSDカードに書き込むだけでそのまま動くイメージファイルも提供されているし、設定はブラウザで行えるのでLinuxの知識はゼロでも可で、RaspberryPi側にキーボード・マウスを接続する必要もない。

ダウンロードしたRaspberry Pi用イメージファイルはZIPファイルなので解凍する。 OSイメージファイルをmicroSDカードに書き込むアプリは何でもいいけど今回はEtcherを使ったとする。(Windows, Linux, macOS対応)
microSDカードの容量は少なくとも4GB。microSDカードに楽曲データも置きたいなら16GB以上欲しいところ。

書き込んだmicroSDカードをRaspberry Pi Zeroのカードスロットに挿して電源投入。HDMIモニターを繋いでいるなら画面中央にvolumioのロゴが表示され、その後CLIのログイン画面になる。一応、モニターは無しでも可。ただし、起動には時間がかかるので暫く待つ必要があるのだが、どんだけ待てば良いのか判らない。あと、ときどき起動に失敗するのでそのときもモニター無しだと判らない。
以下、画面付きで。

volumio 設定 1
こちらはWindowsの画面。Wi-FiのAPを表示させるとVolumioというSSIDが見えている。volumioの稼働しているRaspberry Pi Zero Wがホットスポットで動いている。
そこでvolumioのSSIDを選択するとパスワードの入力を求められるので volumio2 を入力して接続する。ブラウザが起動してvolumioの画面が表示される筈。

volumio 設定 2
言語選択画面が出るので日本語を選んで右下の[Next]を押す。

volumio 設定 3
volumioが稼働しているRaspberryPiのデバイス名を決めることができる。初期値はVolumio。変更は任意。右下の[Next]を押す。

volumio 設定 4
接続しているI2S DACを指定する。この時点では指定しなくても可だけど一応I have an I2S DACを[YES]にしておく。右下の[Next]を押す。

volumio 設定 5
ネットワークの設定をすることになっているがこの時点ではどのみちホットスポットの設定が変更できないので触らなくて可。右下の[Next]を押す。

volumio 設定 6
ネットワークの設定を触った場合はこの画面。右下の[Next]を押す。

volumio 設定 7
楽曲データの置き場所となるドライブの追加を行うが、この時点では指定しなくて可。右下の[Next]を押す。

volumio 設定 8
寄付の画面になるが、使い物になるか不明なこの時点では寄付をしようという奇特な人はいない筈。右下の[Done]を押す。

volumio 設定 9
右上の[再起動]を押す。

volumio 設定 10
再起動後のメイン画面。右上の (歯車アイコン)を押すとメニューが表示される。

volumio 設定 11
メニューから「ネットワーク」を選ぶ。

volumio 設定 12
画像では少しわかりにくいが、「無線ネットワーク」の項目に接続可能な無線LANのSSIDが表示されている(筈)なので自分のLANにつながるAPのSSIDを選択してパスワードを入力しLANに接続する。
その下の「ホットスポットの設定」は当然だけど、「ホットスポットを有効にする」を「Off」にして[保存]を押す。ホットスポットのまま何も考えずに放置したら他の人に乗っ取られるかも。
メニューから「シャットダウン」を選択して再起動させる。
これで、次からはvolumioはLANの中に生えるのでこれまで設定に使っていた端末もLANに戻す。
ブラウザのURL欄に volumio.local と入力してVolumioを開く。
ただし、volumio.local はAvahiの名前解決に対応しているOS(Windows, MacOS, iOS, Linuxの多く)に限る。AndroidはAvahi非対応なのでVolumio.localではアクセスできないので注意。Android以外のOSのブラウザで volumio.local を入力してVolumioを表示し、設定→ネットワーク を開くと「ネットワークの状態」の欄にVolumioが動いているホスト(この記事だとRPi0W)のIPアドレスが表示されるのでそれをメモる。例えばIPアドレスが192.168.1.24であったなら、AndroidのブラウザのURL欄にhttp://192.168.1.24 (IPアドレスだけでも可) と入力するとAndroidでもVolumioを表示できる。

volumio 設定 13
メニューから「プレイバックオプション」を選択する。
「出力デバイス」は「Generic I2S DAC」を選択する。(選択されている筈)
「I2S DAC」は「On」にする。(選択されている筈)
「DAC Model」はおそらく未指定なので「Generic I2S DAC」を指定する。またはリストに接続中のDACの機種があるならそれを選ぶ。(接続したDACのチップと同じ機種を選ぶ)たとえばDACのチップがPCM5102AならHiFiBerry DACを選ぶ等。
「音量オプション」は上の画像では「Mixer Type」が「None」になっているが、この状態ではDAC基板に音量調節がなければ?常に100%の大音量になるので注意。
「Mixer Type」を「Software」または存在するなら「Hardware」に変更してその下の[保存]を押すと音量調整できるようになる。

volumio 設定 14
メニューから「マイミュージック」を選択。
上はその「ネットワークドライブ」の指定画面。VolumioのmicroSDカードに楽曲データを置くというのもアリではあるが、(家の外に持ち出さないなら)ネットワークにある方が便利ということも。ネットワークドライブにはNFSやWindows共有が指定できる。上の画像はWindowsで共有になっているフォルダに接続する場合。
[新規のドライブを追加]を押す。
「エイリアス」は追加するネットワークドライブの名前(わかりやすいもの)を何か指定する。
「NAS IPアドレス」に共有フォルダのあるWindows PCのIPアドレスを指定する。
「パス」は共有中の「共有フォルダ」の名称を指定する。
「ファイル共有の種類」は「cifs」を選択する。
「ユーザー名」は共有中のWindows PCのユーザーアカウント名を入力する。
「パスワード」は共有中のWindows PCのユーザーアカウントのパスワードを入力する。
「オプション」は指定しない。(※下の赤字)
[保存]を押す。
ネットワークドライブリストに登録したエイリアスが表示されること。数秒以内に「マウント済み」の欄に緑のチェックが表示されることを確認する。「マウント済み」の欄が赤の☓なら接続に失敗している。
[データベースをアップデート]または[再スキャン]を押すとmicroSDカード内の楽曲データが更新されネットワークドライブに存在する楽曲の情報を取り込む(または更新する)。

2017年12月下旬以降のバージョンのVolumioでWindowsの共有フォルダをマウントできない場合(エラーになる場合)、オプション欄に 「vers=2.0」or「vers=2.1」 を指定するとマウントに成功するかも。 Volumio2.348とWindows10 Pro 1709 16299.192で確認。(下の青字のリンクの記事を参照)

VolumioでWindowsの共有フォルダに接続できない場合はどうしてもWindowsの共有フォルダが見えない対処

volumio 設定 15
画面左下の「一覧表示」を選択する。
「音楽ライブラリ」を選択する。

volumio 設定 16
アルバム・フォルダの選択後、曲リストが表示される。アルバム・フォルダまたは単独の楽曲を選択して「再生」を押すと聞くことができる筈。メイン画面(画面左上のvolumioロゴまたは画面下の「プレイバック」を押す)と右側に音量が表示されるので聞きやすい程度に調整する。
中央と左側は再生中の楽曲の情報。

購入したI2S入力DAC PCM5102A搭載32bit 384kHz DAC完成基板はかなり尖った音が鳴るので音量が普通でも聞いていて疲れるというか頭が痛くなる。以前に使っていたUSB DACよりもメリハリはっきりした鳴り方。いつも聞いてたCD(をFLACにしたもの)ですら何故かはわからないし、それが正しいのかもわからないけど何か違うように聞こえる。
とてもクリアな音だとは思うけど、音量を下げると音が小さくなると同時にスピーカーと耳の間にカーテンを足しているかのような気がするのは何故だろう。

「がとらぼ」の中の人は音のド素人なので何も参考になるようなことが書けない。

あと、せっかくの32bit 384kHzという謳い文句のハイレゾ対応の音源を持ってないから試せていない。試してもどうせバカ耳だからわからないだろうけど。

それにしても、Raspberry Pi Zero W, microSDカード込みで4千円程度の音楽プレーヤーがこんなに凄い音で良いんだろうか。

関連記事:

RaspberryPi Zero WにDACを接続

RaspberryPi Zero W (以下RPi0W)を買って暫くいろいろやってみたけど、思ったより性能が中途半端で使い途に困った。結局音楽プレーヤーあたりが無難かなと。
でも、RPi0Wにはイヤホン端子が無い。
そこでDAC基板を購入することに。

DAC基板はとてもたくさん製品がある。USB接続は簡単だが今回はそれでは面白くないのでI2S接続にしたい。
RaspberryPiなどのシングルボードコンピュータでは音楽プレーヤーとしての操作性に難があるが、それを解決するために操作ボタン付きのDAC基板もある。でも、「がとらぼ」の中の人はRaspberryPiの音楽プレーヤーを家から持ち出すことはないと思うので操作ボタンは要らないかなと。
いろいろ比べていたらとても安くて良さげなのを発見。
売ってたのはNorthFlatJapan

ぱっと見た感じDACチップの型番が違うだけっぽい。おそらくオーディオマニアならそのチップの違いを重要視するのだろうけど、そらちは全く疎いのでチップが違うとどう音が変わるのかわからない。DACのメインのチップ以外も重要なのだろうけど、カタログスペックとしてはメインのチップの比較だけになっちゃう。
で、本来ならこういう一見同じような選択肢がある場合は一番安いのを買うのだが、3つの価格差が1.5倍程度とはいえ絶対価格が物凄く安い。それならよくわからんけど一番高いのを買っちゃえということでPCM5102A搭載のモデルをポチった。
送料は200円なので合計1480円。騙されてんじゃないかなと心配になるほど安い。
ネットを見るとNFJ製と書いてるところがあったりするけど中国の通販で同じ設計のボードが同じくらいの価格で売られてるのでオリジナル製品ではないんじゃないかな。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 1
輸送がヤマトのクロネコDM便だったので届いたのは発送から3日後(発送日込み4日)かかった。送料が安いのはいいんだけど遅いからDM便は嫌いよ。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 2
中身はA5(A4の半分)の納品書とプチプチに包まれた基板だけ。説明書やその他付属品は無し。写真に写っている右の方のピンク色のは大きさ比較用のDVD-R(ケース入り)。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 3
プチプチを剥がすと静電気防止の袋が出てきた。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 4
基板の部品が実装されているオモテ面。良い感じ。千円前後の基板には見えないよね。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ DACチップ
基板の中央にDACチップのPCM5102Aがある。他の写真を撮ったカメラSony RX100にはチップの文字が写ってくれないのでスマホで撮影。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 5
ウラ面は部品が無いこともあってショボい。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 6
RaspberryPi Zero(W)と並べてみた。DAC基板だけの時はRaspberryPi Zeroよりだいぶ大きく見えたけど、横幅なんかRaspberryPi Zeroより短いのね。RaspberryPi Zero専用じゃないから四隅の穴の位置は合わない。穴の径も違うし。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 7
RaspberryPi Zero(W)とつなぐにはジャンパーケーブル(写真右)をRaspberryPi Zeroの基板に直接ハンダ付けするという方法もあるけど、ピンヘッダ(写真上段)を付けちゃった方が後が楽。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 8
RaspberryPi Zeroにピンヘッダを付けた。ハンダ付けは40箇所になるので近視兼老眼の進んだオッサンにはツラい作業。ハンダはたっぷり派ではないのでチョビ付け。ピンヘッダは2列のものを付けようとすると意外と苦労するので1列20ピンを奥側にハンダ付けしてから手前もというやり方の方が良いと思う。ただし片列のピンが斜めになると今後いつかピンソケットを被せたいという時に嵌まらないかもなのでまっすぐに付けるのだけ注意。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 9
写真はピンボケ。ピンヘッダは一応2列とも並行にまっすぐ取り付けることができた。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ ピンレイアウト
NorthFlatJapanの商品ページにRaspberryPi3との接続写真兼接続図が載っている。RaspberryPiの40ピンのGPIOは互換なのでRaspberryPi Zero(W)でも同じ接続でいける。GNDは商品ページの接続図では39ピンを使っているけどジャンパーケーブルの長さの関係で今回は6番ピンにつないだ。問題は無い筈。
結線が1つ足りない気がしたが、マスタークロックはこの基板のDACチップでは要らないらしいので5本でOK、マスタークロックが無いRaspberryPiにつなぐならちょうどいいのかな?

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 10
実際につないだらこんな感じ。ジャンパーケーブルはもう少し長めの方が良かったかも。

激安DACをRaspberryPi Zero Wにつなぐ 11
RPi0Wに電源を投入したらDAC基板の赤LEDが光った。(写真では白っぽいピンクに写ってるけど目で見ると赤)
基板上のディップスイッチは2つ共にオフ(初期値)のまま。
RCAで接続する音響機器は持っていないので手持ちのイヤホンを繋いだ。
さて、もうフリスクの容器には収まらないのでRaspberryPi ZeroとDAC基板のケースはどうしようかしら。

2018年7月16日追記:
RCA出力の場合だけときどき高い音で「キーーーン」と鳴り続けることがあって気になっていたが、どうやら周辺環境の影響を受けやすいらしい。キーン音がする場合は設置場所を変えるとかオーディオケーブル・電源ケーブルの引き回しを変えるなどで改善すると思われる。ラズパイなどの基板は至近にあっても影響は無さげ。ヘッドホン出力ではキーン音は鳴らないのは何でかしら。

次は音楽プレーヤーの設定の予定

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