NanoVNA V2 (SAA-2)を触ってみた

NanoVNA V2

安価なVNAとしてNanoVNAが話題だが、昨年秋以降はNanoVNA 2.0という強化版VNAがもうすぐ出るという話〜発売が始まったけど届くまで日数かかるよということで興味はあるけど「どっしようかなぁ」という感じだった。従来のNanoVNAの方が若干安いということもあるし。
ただ、NanoVNAは本来の対応周波数が300MHzまで、3次高調波で900MHzまで、5次高調波で1.5GHzまでということで、ファームウエアで1.5GHzまで対応できるとはいえ周波数が高くなると精度は若干落ちるらしい。個人的にはADS-Bの1090MHzあたりで使うかなと思うのでnanoVNAでも使えなくはない。でも、Wi-Fiの2.4GHzあたりももしかしたらと思ったらNanoVNA V2かな。仮に1090MHzまでしか触らないとしても高調波を使わず3GHzまで対応しているNanoVNA V2の方が良いかなと思うように。
ちなみにNanoVNA V2については、「NanoVNA」という名称を使うことが憚られるようなのでSAA-2, S-A-A-V2のような名称で呼ぶ方が良いみたい。(が、このページではNanoVNA V2と書いてしまう スミマセン)

NanoVNA V2のスペック
Frequency range: 50kHz - 3GHz
System dynamic range (calibrated): 70dB (up to 1.5GHz), 60dB (up to 3GHz)
S11 noise floor (calibrated): -50dB (up to 1.5GHz), -40dB (up to 3GHz)
Sweep rate: 100 points/s
Display: 2.8", 320 x 240
USB interface: Micro USB
Power: USB, 300mA
Battery connector: JST-XH 2.54mm
Maximum sweep points (on device): 201
Maximum sweep points (USB): 1024
NanoVNA-SAVER and VNA-QT software
Ssupported platforms: Linux, Windows (7+), Mac OS planned

知ってる範囲の主なモデル
S-A-A-2: 2.8インチ画面. SMAコネクタ, Hugen氏
S-A-A-2_2: 2.8インチ画面, SMAコネクタ, nanorfe & OwOComm
SAA-2: 2.8インチ画面, SMAコネクタ, Hugen氏
SAA-2N: 4インチ画面, Type-Nコネクタ, Hugen氏

情報入手先(ユーザーグループ)
https://groups.io/g/tinysa/
https://groups.io/g/nanovna-users/
https://groups.io/g/NanoVNA-V2

ユーザーマニュアル
https://github.com/nanovna/NanoVNA-QT/blob/master/ug1101.pdf 2020年8月末現在

今回は安く購入したいこともあって出処のよく判らないクローン品をAliExpressの評判不明なセラーから購入した。パッケージ内容はS-A-A-2相当。
AliExpressでは品質の良くないクローン品が多く出回っているようなので割り切れないなら上のユーザーグループで情報を収集して、ある程度上質なサプライヤーだと判明しているところから購入することをオススメ。評判の良いサプライヤーから買うのと怪しいクローンでは2〜4千円程度の差しかないのでヘタな安物を買うより安心よね。(と言いつつ最安値のしか買わないんだけど)

実は8月上旬に商品が届いていたんだけど、実家で使うんだから実家に送れば良いだろう的に注文時に安直に考えたせいでせっかく届いた品に触ることができずにいた。
ようやく手元に届いたので開封してちょっとだけ触ってみた。少しは慣れとかないとイザ使おうと思ったときに「よくわかりませんでした」じゃ困るので。

NanoVNA V2 1
右側が届いたパッケージ。左側が大きさ比較用のBD-RE(CD-R/DVD-Rのスリムケースと同じサイズ)
意外とコンパクトでしかも軽い。

NanoVNA V2 2
ビニール袋を剥いた状態。結構スカスカな箱なのに珍しく潰れていない。

NanoVNA V2 3
左の白いのがNanoVNA V2本体とそれを包んだビニール。右側が本体以外。

NanoVNA V2 4
画面には養生用のフィルムが貼られている。上面と底面はプレートで覆われているが、側面は4面カバー無し。意外と厚みがある印象。

NanoVNA V2 5
反対側はmicroUSB端子が中央にある。その上の黄色いのがバッテリー。ここにバッテリーだと劣化して膨らんだときが怖いかも。

NanoVNA V2 6
裏返して底の面。プレートだけ。

NanoVNA V2 7
側面。電源スイッチが見えている。

NanoVNA V2 8
内容物のすべて。左上がmicroUSBケーブル、中央上段がワッシャーやSMA端子部固定用ナットなど、右側はNanoVNA V2本体とSMA端子の付いたRJ174ケーブル2本、左下はスタイラス、中央下部がキャリブレーションで使うオープン・ショート・ロード・延長用メス-メスアダプタ。敷いてある紙が付属した唯一の説明書。基本的にはメニューの階層を示しただけのもの。

NanoVNA V2 9
画面には養生フィルムが貼ってあって、上の画像でいえば液晶ガラスの右下側に飛び出ている緑のタブ部分をひっぱれば剥がすことができる筈だか、上面プレートが邪魔でフィルムが剥がせない。そこで四隅のネジ4つを外してプレートを外した。(それが上の写真の状態)

NanoVNA V2 10
養生フィルムを剥がした。スッキリ。

NanoVNA V2 11
ついでに反対側の底面のプレートも外してみた。基板の状態が気になったのよね。心配は的中して赤矢印の部分のように何か汚い。上の写真では既に拭き取っちゃっつた後だけど、2つのシールド部分にも組み立てた人の指紋がベタベタで嫌な感じ。粗悪なクローンの心配が増大。

NanoVNA V2 12
電源スイッチをオンにしてみたが何も反応なし。とりあえず30分ほど充電してから再度電源をオンにした。こんどはすぐに上の写真のような画面が表示された。完全放電の状態で送られて来たってことね。良くないなぁ。

NanoVNA V2 13
電源スイッチの裏側の基板にLEDが4つあって、充電が進むに連れて点灯・点滅するLEDの数が増える。上の画像ではLED3つが点灯している。ちなみに、急速充電ではない普通のUSB接続で、バッテリーが空から満充電まで3時間ほど。なお、満充電になったときの制御が不明なので心配な人はLED4つ付いたらすぐに充電を終了させた方が良いかと。

NanoVNA V2 14
バージョンを表示してみた。NanoVNA V2_2という表示になっている。ファームウエアはS-A-A-2_2用なのかな?

NanoVNA V2 15
キャリブレーションに使うドングルというかアダプタ?プラグ?呼び名が判らない。左からオープン、ショート、ロード、スルー(延長)。キャリブレーションの方法はNanoVNAとほとんど同じなのでそのやり方を真似るだけ。

NanoVNA V2 16
以前に買って怪しすぎるということで使うのをやめた中華製1090MHz PCBアンテナをつないでみた。
予想に反してSWRはまともっぽい。上の画像は表示範囲が590MHz〜1590MHzで中央が1090MHz。黄色の三角形のマーカー「1」があるところが1110MHzこれがSWRがミニマムになる周波数で値が1.17。もう少し左まで低いところかがあるのでおよそ1090MHz周辺はSWRが低い状態。アンテナ本体に貼られていたシールに書かれたSWR 1.1には達していないが一応十分ね。


2024年03月29日 現在、AliExpressで PCB Antenna 1090MHz の取り扱いまたはプロモーションはありません。

このアンテナね。

NanoVNA V2 17
新しく購入したバンドパスフィルターを見てみた。付属の2本のケーブルでバンドパスフィルタの入力・出力端子とNanoVNA V2を接続する。
見るのはLOGMAGで合ってるよね?これも周波数の表示範囲は590〜1590MHzで1090MHzが中央。青の三角マーカー「1」が表示範囲中のMAX値で-4.36dBとなっている。つまり、電波を通す周波数帯でも4.36dB以上減衰しますということ。期待よりちょっと減衰大きいかな?反射損失を含めた実測で3dBより小さいということで購入したハズだけどなぁ。ちなみにカタログ値では挿入損失1.5dB。
縦の1目盛りが10dBなので590MHzでは約-30dB、1.59GHzでは約-40dBとなる。

AliExpress商品画像 2,997円 2,757円
(2021年08月26日 の参考価格)
このバンドパスフィルターね。
ここで重大な告白

スミスチャートが全然わからない

ダメじゃん・・・

これで少なくともSWRが見えるので針金曲げ曲げアンテナを作ることができるようになった。って、本当に上手く作れるかしら?

エレコムトラックボールDEFT PROのサムレストをダイソーのエポキシパテで作る (リベンジ)

4ヶ月ほど前に、DEFT PROのサムレストをダイソーのエポキシパテで作るというのをやったが、最初から硬化したパテを混ぜ込んでしまい「キッタナイなぁ、もう」ってのが気に入らなかった。
その後、ダイソーで新しいエポキシパテを何度か購入してみたが、断面側の銀紙を剥がすと程度の差はあっても茶色に固くなっていた。できれば製造間もないのが欲しいが見分け方が判らないので困る。そこで、全く硬化してないのを買うというのを諦めて紙カードで両端の1〜2mmほどを切り落として中央のきれいなバテだけを使うことにした。ただし、両端以外にパテの層の境にわずかに硬化したのが砂状に混じっているので製造から時間が経ったやつはどうしても完全にキレイとはならないみたい。

新しいパテでサムレストを作り直した 1
練って成形するための机の上にはウェットティッシュやウェットの汗拭きシートの銀色の袋の内側を上にして置いた。この袋の内側はツルツルでエポキシパテがひっつかないので本当にやりやすい。ただし、今回は机の上で整形後にパテが硬化前で柔らかかったにもかかわらずウェットテッシュの袋を持ち上げて脇にどかせたため、パテの底面になる筈の部分が微妙に丸まってしまった。なので平らなところに置くと1つの角の部分が少し浮いた状態になってしまった。ガタガタはしないので使用上は問題ないが、見た目が少し残念に。

上の画像では少しヤスリをかけたあと。ヤスリがけは洗面器に水を張って水に漬けた状態でやると削りやすい。

新しいパテでサムレストを作り直した 2
上の写真の左側の面がトラックボールに接する側。上面に親指が乗る。この上面は、奥側(手首側)は写真の右側方向が下がり、手前側(指先側)は写真の左側方向が下がるのが使いやすいのでそのように削っている。つまり捻れた箸置きみたいな感じ

新しいパテでサムレストを作り直した 3
サムレストがトラックボールと接する部分。前回のような養生テープではなく、ラップをトラックボールに当てて硬化前のパテをしっかり押し付けたのでトラックボールの形状により良く合うようになった。

新しいパテでサムレストを作り直した 4
横倒しにしてトラックボールと接する側を上に向けた。V字溝がしっかり再現されている。細かいシワはラップによるもの。

新しいパテでサムレストを作り直した 5
3Mの両面テープでサムレストをトラックボールに固定した。

新しいパテでサムレストを作り直した 6
トラックボールに手を置くとこんな感じ。今回は高さもちょうど良い感じ。(前回の反省を踏まえた数少ない改良点)

作り方やサムレストの形状は前回とほとんど変わらない。単にエポキシパテの硬化した汚いのがほぼ無いサムレストを改めて作ったというだけの内容です。スミマセン

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